情報処理学会 第86回全国大会 会期:2024年3月15日~17日

7W-06
公平性を考えた施設配置問題に対する議論の支援によるアプローチの検討
○髙橋陽拓,福田直樹(静岡大)
本研究では,議論を支援することで公平性のある施設配置を行うことを試みる.我々は,様々な場面で起こる議論は,それぞれどのような軸を最適化して公平とみなすか異なる多様な考え方が提示されると考えている.例えば,「みんなが納得できればいい」,「最初からみんなが納得する状況などないという前提で議論を始めて納得する人が増えればいい」,などの軸がある.本研究では,参加者の意見を募って何かしら決定を下すことを目的とした議論では,決定の影響を受ける人などが必ずしもその議論の場にいることができないという困難さがあるへの対処を考える.例えば,公共施設を街のどこに配置するかを決定するときに,数十年後にその施設を利用するであろうまだ生まれていない人間の好みを決定に反映することはできないため,この特性は決定の影響を受けるすべての人の好みを必ず議論の俎上に上げることを不可能にしている.さらに,施設配置問題などにおける最適化指標の選択の難しさや,その選択の過程での議論を事後的に検証する方法についても検討する.