6B-02
不正確な特定化を含む恒常所得モデルに関する研究
○足立幸大,岩﨑 敦(電通大),池上 慧(ニューヨーク大学)
本研究は、マクロ経済学を構成する基礎の1つである恒常所得モデルの拡張を議論する。これは、家計が日々の所得をどれだけ消費に割り振り、どれだけ投資や貯蓄に割り振るかをリカッチ方程式で表現する、マクロ経済学の基盤を構成するモデルである。通常、将来の所得が一定にの確率分布に従い、家計はその確率分布を正しく知っていると仮定する。しかし、バブル崩壊やリーマンショック前の好景気において、家計が所得の確率分布を正しく知っていたとは限らない。そこで、家計が将来の所得に対する確率分布を正確に特定できないようにモデルを拡張し、何が起きるか議論する。その結果、消費は一定になり、家計の借金が増加する現象を確認した。