大学キャンパスをはじめとした、多くの人々が利用する施設では、人の滞在や移動の認識が重要な課題となっている。スマートフォンなどが発信する Bluetooth Low Energy（BLE）のアドバタイズ信号の観測は有望な手段の一つであるが、既存の研究では特定の空間における滞在の認識に焦点が当てられてきた。本研究では、空間の内外に複数の端末を設置し、BLEアドバタイズ信号の受信信号強度の差分の時系列推移を観測することで、特定の空間への入退出といった移動を推定する手法を提案する。学生食堂内の3箇所に端末を設置して実験を行い、実際の移動人数とのずれを評価することで、提案手法の精度と有効性を検証した。