情報処理学会 第86回全国大会 会期:2024年3月15日~17日

4K-05
Racket上の多段階計算に基づく抽象解釈器の実装
○帖佐龍弥,馬谷誠二(神奈川大)
抽象解釈は,主に静的解析に用いられるプログラム解析の手法の一つである.プログラムを抽象的かつ健全なモデルで表現し,それを用いてプログラムの挙動を近似的に評価する.抽象解釈を高速化する方法として,多段階計算に着目する.多段階計算は動的にコード生成や実行を行う技法であり,これをインタプリタに応用する事でコンパイラのようにより高速に動作する同等のプログラムを生成することができる.本研究では、Racket上で実装した簡易なインタプリタに対して,多段階計算による高速化を行った後に抽象解釈器を構成した場合と,抽象解釈器を構成した後に多段階計算を用いて高速化した場合を比較する.