2ZA-01
OFDM信号の位相情報を用いた疑似距離の計測と高精度測位
○青木一馬,湯 素華(電通大)
歩行者の携帯端末が自位置を周囲の車両に通知することで事故を防止する歩車間通信システムが提案されている.この方式はカメラやセンサを使った歩行者検知システムと異なり,車両から死角にいる歩行者も検知できるという利点がある.この方式では歩行者を高精度に測位する必要があるが,歩行者測位に通常用いられるGPSを都市部で利用すると高層ビル等の影響で測位精度が大幅に劣化するという問題がある.この問題に対し,歩行者より位置精度がはるかに高い車両や路側機を測位アンカーとして利用する方式が複数提案されている.その中でOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)信号の位相情報を利用し,歩行者と2台の測位アンカー間の距離差を求める方式は高い測距性能を示している.しかし,距離差を用いて測位演算をおこなう場合,大きな位置誤差が生じやすいという問題がある.本稿では,上述の問題を解決するために,歩車間通信のOFDM信号の位相情報を利用して歩行者と測位アンカー間の真距離と送信時刻推定誤差による距離誤差の和である疑似距離を算出し,それを基に測位演算をおこなう方式を検討する.