2J-03
準同型暗号を用いた畳み込みニューラルネットワークの並列処理
○光永茉弥,吉田明正(明大)
近年,クラウドサーバで機械学習モデルの学習・推論が広く行われているが,機密データを取り扱う場合,プライバシーや情報漏洩の観点から,準同型暗号を用いた推論が期待されている.本稿では,畳み込みニューラルネットワークの推論処理において,Microsoft SEALライブラリによる準同型暗号をC++で実装し,そのコードにループ並列化を適用した.性能評価においては,MNISTのデータセットを使用して学習したモデルを対象に,準同型暗号を伴う推論処理を並列実行する.Intel Xeonサーバ上で行った評価の結果,準同型暗号を用いた畳み込みニューラルネットワークの推論時間は,ループ並列処理により短縮されており,提案手法の有効性が確認された.