情報処理学会 第86回全国大会 会期:2024年3月15日~17日

2F-06
日本,米国,英国における生成AIの教育に関する国内政策の比較 ―国際機関UNESCOが目指す国際教育政策との親和性の検証-
○齋藤長行(仙台大)
生成AIが急速に社会に普及し,その影響は教育分野にも及んでいる.本研究では,国際機関であるUNESCOの生成AIに対する教育政策を基に,日米英における国内教育政策と比較した.その結果,米国の政策は教育におけるAIの個別化・適応性を重視しており,英国は生成AIの負の側面,特にその誤用に対する具体的な対策を明示していることが明らかになった.日本の政策は,AIに関する個々の教育機関の取組を支援するための戦略を採用していた.UNESCOの政策では,生成AIを教育に活用することで得られる利益を享受できる環境を目指していることから,その政策思想には米国の政策が他国よりも親和的であると評価できる.