情報処理学会 第86回全国大会 会期:2024年3月15日~17日

2F-03
難易度調整を考慮した任意区間におけるBitcoinハッシュレート変化の検知手法 - F分布に従う統計量による仮説検定を用いて -
○清家大嗣(東大)
Bitcoinは、PoW(Proof of Work)と呼ばれる手続きを経た合意形成により、一貫した分散台帳を作成する。PoWは単純な計算処理を反復的に実行し、暗号学的問題の解を確率的に求める。ネットワーク全体の単位時間あたりの計算実行回数をハッシュレートと呼び、セキュリティの重要な1指標である。
本研究では、ハッシュレートとPoW難易度から定まるブロック生成レートの変化を追跡し、ハッシュレート変化を検知する統計的手法を提案する。任意の連続した2期間を対象とし、その期間内でブロック生成レートが変化しないという仮説検定を与え、Bitcoin価格変動、マイニングマシンの性能向上がハッシュレートの変化に寄与した等という主張が高確率で妥当であるか判断可能にする。