情報処理学会 第86回全国大会 会期:2024年3月15日~17日

2B-06
見間違えのある繰り返し囚人のジレンマの確率動学による分析
○谷川颯希,村井伸一郎,岩﨑 敦(電通大)
本研究では見間違えのある繰り返し囚人のジレンマの帰結を進化ゲームにおける確率動学を用いて分析する. 繰り返しゲームはプレイヤ間の長期的な協調関係を分析するモデルであり, 人工知能, 経済学や生物学などにまたがる学際的な研究課題である. 進化ゲームにおける確率動学は有限集団における戦略の帰結を計算するもので, とくに理論生物学でよく用いられ, その帰結が初期の戦略分布に依存しないことが知られている. 本研究では, 3状態以下のオートマトンを列挙した戦略空間のもとで, どんな戦略が生き残るかを吟味した. その結果, 生き残った戦略の構造から, 見間違えの下で協力状態を維持する仕組みを議論する.