情報処理学会 第86回全国大会 会期:2024年3月15日~17日

2A-04
気候システムの特性を考慮した深層サロゲートモデルの提案と海洋大循環シミュレーションに対する一応用
○中野裕太,田中佑典,福田哲也,河田博昭(NTT)
気候変動に対処する上で不可欠である気候シミュレーションは計算量が膨大である。そこで、高速化のために、深層学習モデルによりシミュレータの出力を模倣するサロゲートモデルと呼ばれるアプローチが注目されている。しかし、既存手法ではシミュレーションデータの特性を考慮しておらず、特に長期予測において性能劣化をもたらす。本論文では、欠損値、グリッドの不規則性、周期的挙動の3つの特性を考慮した深層学習ベースのサロゲートモデルを提案する。また、気候システムのうち海洋に焦点を当て、実際のシミュレータを用い、実行時間と精度を検証する。最後に、実応用に向けた本手法の評価方法、および手法の拡張についても議論する。