本研究では、浮世絵から読み取れる江戸時代の生活文化を、WEBシステムを用いて提示する手法について検討した。特に、WEBでの浮世絵画像の見やすさ、専門知識がなくとも理解できる解説内容を両立させたシステムの不足という背景から、これらの条件を満たすシステムを目指した。作成方法の汎用性を確保することを念頭におき、実装には国際規格のIIIF Manifestおよび、人文学オープンデータ共同利用センターが作成したIIIF Curation Viewerを用いた。現代日本の暮らしや日本史・地理等の基本的な知識をもつ大学生を対象に、試用とインタビュー調査を行い、浮世絵に描かれた江戸時代の暮らしの背景を読みとり、現代の暮らしと比較できるようになるかを検証した。