情報処理学会 第86回全国大会 会期:2024年3月15日~17日

1R-05
ベイズ高速多チャネル非負値行列因子分解に基づくブラインド音源分離
○市葉拓馬,須村允亮(京大),Diego Di Carlo,Aditya Arie Nugraha(理研),坂東宜昭(産総研),吉井和佳(京大)
本稿では、高速多チャネル非負値行列因子分解 (FastMNMF) のベイズ拡張について述べる。FastMNMFは優れた分離性能を達成しているが、音源到来方向やマイクアレイ形状などの空間事前情報の効果的な取り扱いが課題となっている。そこで本研究では、空間相関行列を含む全てのパラメータに事前分布を導入したFastMNMFのベイズモデルの定式化を行い、ギブスサンプリングを用いた事後分布の推論が可能であることを示す。提案法では、ブラインド条件下であってもスパースな事前分布を用いることで、音源数に対する正則化効果が発揮され、一つの音源が複数に分割されて分離されることを防ぐ効果が期待できる。