近年，ビデオストリーミングを安定して配信するため，LTEや無線LANといった複数の通信経路を併用することで通信帯域を確保する技術が注目されている．しかし，移動により通信状況が変化する環境において，通信経路を切り替える際にパケットロスが発生し，ビデオ画質の低下やビデオ再生が停止するといった課題がある．そこで，本研究では複数の通信経路を併用するプロトコルであるMPQUICを用いて，通信環境に適応した通信方式を選択するスケジューラを提案した．移動環境下でビデオストリーミングを再生する際に，LTEと無線LANの切り替え及び併用を行い，通信状況が変化する中で通信品質を向上できるか検証した．その結果，パケットロスが減少し，スループットが向上した．