情報処理学会第85回全国大会 会期:2023年3月2日~4日 会場:電気通信大学

7Q-02
発話者間の関係性が条件推論の抑制に及ぼす影響 -ポライトネス理論に基づく検討-
○小倉那央,高橋達二,中村紘子(電機大)
人物Aが「もしX社の製品ならば美味しい」という条件文(a)を発話し,その後人物Bが「もしY社の製品ならば美味しい」という追加条件文(b)を発話したとする。この時,「X社ゆえに美味しい」という前件肯定推論が抑制される場合がある。Demeureら(2009)は(a)と(b)を発する各話者間の人間関係が推論抑制に及ぼす影響をポライトネス理論をもとに検討し,関係が悪い場合一般に曖昧な表現で訂正を行うため,(b)が(a)の訂正を意図したもの解釈されやすく,推論の抑制が生じることを示した。本研究は日本人参加者による追試を行い,条件推論における対人的次元の影響とその文化差を検討した。