情報処理学会第85回全国大会 会期:2023年3月2日~4日 会場:電気通信大学

7D-04
ゲノム秘匿検索のbootstrap処理における適切な暗号ライブラリの検討
○辻 有紗,小口正人(お茶の水女子大)
近年クラウド上でのビックデータ解析に向けて完全準同型暗号(以下:FHE)を用いた秘密計算技術の実用化に向けた研究が盛んに行われている。実用に向けた課題点として時間空間計算量が膨大であることがあげられる。特に、bootstrapと呼ばれる暗号文同士を演算する際に蓄積するノイズを取り除くため複数の鍵を用いて暗号化・復号化を行う処理の負荷が大きい。HElibライブラリを用いたゲノム秘匿検索アプリケーションではbootstrapと暗号分同士の比較ができないことによるrotationと呼ばれる演算の負荷が大きい。今回、bootstrapが実装されている暗号ライブラリ、zama-concrete,、FHEW、 Lattigo、 NuFHEの実行時のハードウェアの状態を分析し、ゲノム秘匿検索の処理に適した暗号ライブラリを検討する。