情報処理学会第85回全国大会 会期:2023年3月2日~4日 会場:電気通信大学

7B-04
大規模Twitterデータを用いた新型コロナワクチン接種に関する世論変化の分析
○武富有香(NII),中山悠理(東大),須田永遠,宇野毅明(NII),橋本隆子(千葉商科大),豊田正史,吉永直樹(東大),喜連川優(NII),Luis E C Rocha(Ghent University),小林亮太(東大)
日本におけるワクチン接種は,医療従事者への接種開始からわずか8ヶ月ほどで接種率が72%(世界229カ国中14位)に達した.接種開始が欧米諸国と比べ2ヶ月以上遅れ,国民の間にワクチンに対する多くの不安や不満があったにもかかわらず,なぜこれほど迅速に接種が進んだのか.本研究では,2021年1月から10月までのワクチン接種期間中に,800万ユーザが投稿した「ワクチン」という語を含む1.1億の日本語の全ツイートを収集した.トピックモデルを用いてツイートを15のトピックに分類し,意味解釈を行うことにより4つの話題(個人的事柄,ニュース,政治,陰謀論とユーモア)に整理した.そして,テキスト情報を考慮に入れた時系列分析を行った結果,2021年6月の職域接種を境に,ワクチン政策,ワクチン関連ニュースなど社会的トピックに関するツイートの割合が減り,接種の予定や報告,自身の副反応などの個人的事柄に関するツイートの割合が増えたことを発見した.