6H-05
品質劣化したラジオ音声を対象とした音声強調手法の検討
○小林彰夫,安 啓一(筑波技術大)
AM放送(中波放送)は,低廉かつ安価な受信機を用いて送信所よりはるか遠方でも受信可能であるという特長により,国内各局のFM補完放送転換の潮流にあってもなお,災害時のメディアとして重要とされている.一方,振幅変調を採用していることから,デジタル放送はもとよりFM放送と比べても雑音やフェージングといった妨害を受けやすく,受信音声の品質が容易に低下する問題がある.このため,受信環境によっては難聴者にとってきわめて聞き取りづらくなることがある.そこで本稿では,品質劣化したAM放送の復調音声に対して,雑音除去およびフェージングの緩和を指向した音声強調手法を適用し,品質改善の検討を行ったので報告する.