無線マルチホップネットワークでは, 複数の無線端末を中継して宛先の無線端末までデータメッセージを配送する．このとき異なる通信経路が交差して構築された場合，交差地点の無線端末は，他方の通信を妨げないように送信を待機するため通信遅延が延長する．従来では一方の経路を迂回させて，経路が交差することを回避し，データメッセージの送信待機時間を短縮する手法が提案されている．しかし，迂回経路のホップ数が増加し，通信遅延が延長してしまう．そこで本研究では，通信経路が交差する場合，交差付近の無線端末においてキャプチャエフェクトの発生を考慮し，データメッセージを並行送信することで，通信遅延を短縮する手法を提案する．