情報処理学会第85回全国大会 会期:2023年3月2日~4日 会場:電気通信大学

5F-05
観測ベクトルの成分の重要度を推定して 2 群間の差異を増幅する次元圧縮法とその生体信号解析への応用
○小谷野仁(農業・食品産業技術総合研究機構)
通常、加齢と共に音を感知する細胞が減少するため、どの個体も(長生きをすれば)加齢性難聴となるが、それが始まる時期は個体により異なる。ある時点に測定された聴性脳幹反応(音を聞かせた時の脳波)に基づいて、その個体が将来の別の時点まで聴力が一定であるか、低下するかを予測できるかという問題を考える。これは、ある時点の聴性脳幹反応は将来の別の時点までの聴力の変動に関する情報を含んでいるのか、含む場合、それを抽出できるのかという問題である。以前の研究で筆者はこの問題に対する方法論を構築し、共同研究者とマウスのデータを用いて、その有効性を示す研究に取り組んだ。本発表では、この方法論に与えた数理的基礎付けを述べ、また新規に作成した聴性脳幹反応のいくつかの模擬データセットを解析して、上記の予測方法の頑健性を調べた結果を示す。