5B-03
取り違えのある繰り返し囚人のジレンマにおける単独裏切-相互同期戦略
○村井伸一郎,岩崎 敦(電通大)
本研究では,繰り返し囚人のジレンマにおいて,プレイヤが行動を取り違えるとき,無限集団上のダイナミクスのもとでどんな戦略が生き残るかを吟味した.従来よく使われる戦略表現でである一期記憶戦略では,有名なトリガー戦略,一度でも裏切りを観測したら二度と協力しない,を正しく表現できない.つまり,裏切りを観測したあとに2人が同時に行動を取り違えると,協力に戻ってしまう.そこで,状態数2以下の有限状態機械からなる戦略空間上に突然変異付きレプリケータダイナミクスを構築し,その帰結を吟味した.その結果,プレイヤの行動の取り違えに対して有効に振る舞う単独裏切-相互同期 (Unilateral Defection, Bilateral Synchronization) 戦略を発見し,生存過程を明らかにした.