情報処理学会第85回全国大会 会期:2023年3月2日~4日 会場:電気通信大学

4Y-02
土砂災害推定システムに対応した太陽光発充電回路を搭載したメンテナンスフリー型無線センサノードの検討
○山本成世,安部惠一(神奈川工科大)
近年の豪雨などの異常気象により,日本国内では「土石流」,「がけ崩れ」,「地すべり」などの土砂災害の発生が増加傾向にある.この土砂災害の解決方法として,過去の研究では,無線センサネットワークを用いて,傾斜センサなどを複数使用し,多点検出により土砂災害発生を推定するシステムなどが考案されている.しかし,バッテリによる稼働時間が短く,設置後メンテナンスが必要になるなどの課題が存在する.そこで,本研究では無線センサネットワークを用いて土砂災害を推定する際に使用する無線センサノードのバッテリレス化を実現する技術について今回検討した.バッテリレス化には太陽光電池とリチウムイオン電池の代替えと期待される電気二重層コンデンサ,環境発電用昇圧コンバーターなどで回路を構成したものを考案した.また使用するMCU(Micro Controller Unit)と無線通信モジュールの省電力化はRTC(Real Time Clock)のアラーム割込み機能を用いて,センシングデータを送信以外はsleepに入るよう間欠制御を行い.また,sleep時はセンサなどの周辺のセンサ回路の電源系統をMOS-FETでOFFにする制御を行い,極力省電力化を行った上で太陽光発充電回路を搭載させた.この提案のプロトタイプ開発及び評価を行ったので,その詳細について報告する.