食の安全を守るため、食中毒の原因になる微生物の同定を迅速にかつ正確に行うことは非常に重要である。微生物同定の手法にはRNA遺伝子を用いた方法も存在するが、時間とコストを要するだけではなく同属の別種間の配列の類似性が高いものは同定の精度が下がるという課題が挙げられる。本研究は微生物に対して質量分析で得られるマススペクトルと呼ばれるデータを用いて、より精度の高い微生物同定を目的とする。本稿では、部分系列類型Shapeletsを含む時系列分類技術を用いてマススペクトル分類の実験結果を報告し、今後の方向性について述べる。