情報処理学会第85回全国大会 会期:2023年3月2日~4日 会場:電気通信大学

4E-03
強制された状況における認証技術の耐性に関する一考察
○上繁義史(長崎大)
認証技術はアクセス制御に関するセキュリティ技術であり,その適切な運用はあらゆるICTに関連するサービスにおいて,正当な利用者が最初に体験する機密性維持の仕組みである。これを回避する不正アクセス等の攻撃が,認証システムの脆弱性や理論上の不備を突くことにより行われる。認証技術の研究はこのような攻撃への対応であった。一方,認証技術が正当な利用者が自分の意思に反して不正目的で利用されることは必ずしも想定されていない。
本稿では,認証技術の研究開発における問題提起として,正当な利用者が強制のもとに認証を行う状況を考慮する必要性について議論したい。