情報処理学会第85回全国大会 会期:2023年3月2日~4日 会場:電気通信大学

2ZD-08
効率的な擬似乱数に関する一考察
○吉本龍一,多田 充(千葉大)
近年,乱数は様々なITアプリケーションで使用され、我々の生活に多く関わっ
ている。乱数は、予測不能な物理現象などから値を計算された真性乱数と、比較的短い値から計算される、効率的に予測ができない値の系列である擬似乱数に大別される。擬似乱数は、性能の違いによって生成時間に差が生じる。性能の良い擬似乱数として,暗号論的に安全なものがあるが、そのような擬似乱数の生成には相応の時間がかかるため,そこまでの性能を必要としない場面には適さず,比較的短い時間で生成できる擬似乱数生成器が必要となる。本論文では,このような効率的な擬似乱数生成器の設計を試みる。現在我々が利用しているものの中で,十分ランダムで十分速いといわれる擬似乱数生成アルゴリズム「メルセンヌ・ツイスタ」のおよそ3分の1の時間で生成でき,NISTによる乱数性検定において同程度の性能をもつ擬似乱数生成アルゴリズムを構成する。