情報処理学会第85回全国大会 会期:2023年3月2日~4日 会場:電気通信大学

2Q-04
脂肪カテゴリ導入によるがん診断支援システムの性能向上の検討
○馬淵 凌,近藤日向子,早津祐真,淺生田良,大同海良,多田賢一郎,堀内晴貴,金道敏樹(金沢工大)
我々は、がんらしさを情報量の密度の多寡で可視化する情報密度法を提案し、病理診断支援システムを開発している。これまでに、がん領域(がんカテゴリ)と正常領域(正常カテゴリ)を区別可能という結果を得ている。一方、正常領域内の脂肪領域を「がんらしい」とする課題も見られる。本研究では、脂肪領域の輝度が細胞領域よりも高いという特徴に注目し、画像小片単位で輝度の分布の偏りを利用し、新たに正常な脂肪領域(脂肪カテゴリ)を検出するアルゴリズムを作成する。これを使うことで、病理スライド上の見るべき領域を約8割軽減することができる。このことから、正常な脂肪領域の検出は診断効率の向上に貢献できると、我々は考えている。