情報処理学会第85回全国大会 会期:2023年3月2日~4日 会場:電気通信大学

2M-02
Multiple Timescales RNNを用いた敵対的模倣学習による時系列の複雑化と構造化
○佐々木太樹,野口 渉,飯塚博幸,山本雅人(北大)
鳥のさえずりは自然界における複雑で階層的構造を持った時系列として知られ,時系列の複雑性が生じる過程では敵対的模倣と呼ばれる個体間の競争が複雑化を促進することがシミュレーション研究により示されている.
本研究では,敵対的模倣の中で複雑かつ階層的構造を持った時系列が生じる過程のモデル化を試みる.特に階層的構造の生じる要因が時系列生成を担う神経回路網の階層性にあるとの仮説のもと,複数の時間発展タイムスケールを伴う階層的構造を持つMultiple Timescales RNNにより敵対的模倣学習を行う.提案モデルによる敵対的模倣学習の結果,時系列の複雑性が増加しつつも階層的構造が現れることを示した.