情報処理学会第85回全国大会 会期:2023年3月2日~4日 会場:電気通信大学

2M-01
条件付き確率密度推定を用いた非線形因果探索
○髙橋大輔(滋賀大),佐々木博昭(はこだて未来大)
統計的因果探索の目的は変数間の因果方向を推定することであり,特に2変数の因果方向の推定は本質的な問題である.既存の因果探索の手法は,それら2変数の確率分布に対して正規性などの強い仮定を設けるといった問題点が存在した.そこで,本研究では条件付き確率密度関数の推定に基づく2変数の因果方向の決定手法を提案する.条件付き確率密度関数を推定する際にノンパラメトリック法を適用するため,既存手法と比較して,提案手法は2変数の確率分布に対する仮定が弱い.実際,人工データと実データを用いた数値実験によって,様々な確率分布に対して提案手法が既存手法よりも高精度に因果方向を推定可能であることを確認した.