情報処理学会第85回全国大会 会期:2023年3月2日~4日 会場:電気通信大学

2H-06
古代壁画の分光画像を用いた燃焼光源下における色順応後の見え方の再現
○川口拓哉(かたち),末森 薫(国立民族学博物館),安室喜弘(関西大)
中国甘粛省敦煌市にある莫高窟の多くの洞窟は、無数の仏を並べた千仏壁画で彩られている。壁画を照らす光には蝋燭などの燃焼光源が使用されたことが推定される。そこで、ハイパースペクトルカメラを用いて色彩を再現した千仏壁画の分光画像計測をおこない、画像の分光反射率に、蝋燭の分光特性と人間の目の感度特性を適用するプログラムを構築し、疑似的な再現を試みた。しかし、目の錐体細胞の感度特性は、光源によって調整される色順応の働きを有しており、本来の色の見え方とは異なる。本研究では色順応後の見え方について疑似的に可視化するようにプログラムの内容を修正した。本発表では、上記のプログラムの仕組みおよび課題を提示する。