企業がIT資産として保有している数万台のスマートフォンは，夜間や休日等，利用されていない時間が多い．昨今，シミュレーションやAIなど大規模演算の需要が高まっている．本プロジェクトでは前年までに，大規模演算を各デバイスで分散して処理するシステムを構築し，スマートフォンの計算機としての経済価値を確認した．本研究ではこれを改良し，大規模演算をクラウド上で分散処理する事が，1万台相当の負荷にも耐えうる事を実験的に検証した．大規模に演算した際の計算効率の向上にも成功した．また，実用化に向けて分散処理表現を，既存の並列化ライブラリに合わせることでシステムの利用に要する開発者側のコストを削減した．