情報処理学会第85回全国大会 会期:2023年3月2日~4日 会場:電気通信大学

1M-07
資源消費に基づく成長を導入したLeniaにおける生物と環境との相互作用
○朝倉健太,鈴木麗璽,有田隆也(名大)
Leniaはライフゲームを空間・時間・状態・遷移規則に関して連続化したモデルであり、微生物にも似た複雑な形態の自律的な運動パターンからなる多様な生物が創発する。本研究では、Lenia生物の生態的・進化的特徴の理解を目的として、環境内の資源消費に基づく成長を明示的に導入し、環境と生物との相互作用に注目して実験解析を行った。各セル上の資源量を表すチャネルを追加し、状態更新を行う度に生物の体を構成する状態量に比例した資源の消費と自然回復、および、資源量に応じた状態量の増減が局所的に生じるものとした。この環境下で、資源の豊富さなどの生態条件に応じてLenia生物の形態や状態量の構成、および、個体・集団レベルの挙動が変化することを示す。