情報処理学会第85回全国大会 会期:2023年3月2日~4日 会場:電気通信大学

1J-06
倍々精度SpMVにおけるSIMD利用時のデータレイアウトによる性能分析
○慈道亮人,寺田洋人,藤井昭宏,田中輝雄(工学院大)
2つの倍精度数で4倍精度相当の演算を行う倍々精度演算がある.倍々精度型ベクトルデータのレイアウトにAoSとSoAがある.疎行列格納形式にCRSとELLがある.本研究ではSIMD利用時の倍々精度SpMVの性能に,データレイアウトと格納形式の違いが与える影響を分析した.その結果,CRSでは,全て非連続アクセスなため,データレイアウトによる性能差は小さかった.一方,ELLでは,結果のベクトルが連続アクセスなため,SoAの方が最大1.3倍性能が良かった.1行の平均非零要素数が30以下では,CRSがSIMDの加速を受けづらいため,ELLの方が性能が良く,30以上では格納形式による性能差は小さかった.