情報処理学会第84回全国大会 会期:2022年3月3日~3日 会場:愛媛大学 城北キャンパス

論文必勝法

日時:3/4 12:40-15:10

会場:第5イベント会場

【セッション概要】論文誌ジャーナル/JIP編集委員会主催の本セッションでは,現在,論文誌への掲載を目指して論文を執筆中もしくは,今後,執筆する予定のある情報処理分野の若手研究者の方々へ有益な情報を提供いたします.具体的には,まず,経験豊富な講師をお迎えして研究成果を論文として執筆する過程についてお話いただきます.また,パネル討論では,編集委員会から編集長ならびに,各グループの主査による,採録される多くの論文にみられる傾向や,査読コメントへの対応方法などのアドバイス,論文を出す前のチェック事項,および論文誌に関する最近の動向などについて情報提供と意見交換を行います.本セッションは,論文著者の方のみならず,共著者の指導教員,査読をお引き受けくださる方にも必見です.

司会

岸野 泰恵(論文誌運営委員会 委員長/NTTコミュニケーション科学基礎研究所 主任研究員)

岸野 泰恵

【略歴】2007年大阪大学情報科学研究科博士後期課程修了.博士(情報科学).同年,日本電信電話株式会社入社,NTTコミュニケーション科学基礎研究所配属.ユビキタスコンピューティング,環境センシングの研究に従事.2020年より情報処理学会理事(論文誌担当).

12:40-13:40 基調講演 よい文章の書き方,およびその教え方

福地 健太郎(明治大学 総合数理学部 教授)

福地 健太郎

【講演概要】2019年にデザイナーの園山隆輔氏と共著した書籍『図解でわかる! 理工系のためのよい文章の書き方―論文・レポートを自力で書けるようになる方法』(翔泳社刊)は刊行以来増刷が続いており,複数の教育機関で教科書・参考書として指定されるなどご好評をいただいている.同書は「論文必勝法」以前の,意味が伝わる文章を書くための指南書であり,文章全体の構造設計から助詞・接続詞の使い方といった細部に至るまでを説くものなので,本セッションを聴講されるような方にその内容をそのまま紹介するのは釈迦に説法になってしまうのだが,本講演では文章の書き方のみならず,その指導の仕方について,実践事例を交えて紹介する.論文執筆の指導において,まともな文章の書き方の指導だけで時間切れになってしまって歯痒い思いをした経験をお持ちの方にお勧めしたい.

【略歴】2004年東京工業大学大学院情報理工学研究科博士後期課程単位取得退学.博士(理学).2018年より現職.ユーザーインタフェースや知覚心理学,エンタテインメント応用に興味を持つ.ACM・情報処理学会・ヒューマンインタフェース学会・VR学会各会員.2002年FIT 船井ベストペーパー賞,2010年日本VR学会 論文賞,2020年Innovative Technologies 2020 Special Prize -Wonders- を受賞.

13:40-15:10 パネル討論

パネル討論司会 論文誌の査読プロセスの紹介と,査読をどう通すか

浅井 信吉(論文誌ジャーナル/会津大学 コンピュータ理工学部 編集長/上級准教授)

浅井 信吉

【討論概要】論文誌の査読プロセスの紹介と,査読をどう通すか,について,論文誌編集委員会の各グループ主査の先生方に熱く語っていただきます

【略歴】会津大学コンピュータ理工学部上級准教授.1996年筑波大学大学院博士課程を修了後,(株)ウェーブフロント勤務を経て,現職.論文誌編集委員会基盤グループ委員(2014年〜2017年),副査(2015年,2016年),主査(2017年).論文誌ジャーナル編集長(2020),数値解析その他に関する研究に従事.

パネリスト 討論テーマ:査読付き論文を書くには

阿倍 博信(論文誌ジャーナル ネットワークグループ主査/東京電機大学 システムデザイン工学部 教授)

阿倍 博信

【討論概要】論文誌ジャーナル編集委員会での審議の経験から,論文を書く際の注意点をお話したいと思います.

【略歴】1990年,慶応義塾大学大学院理工学研究科修士課程修了,同年三菱電機株式会社入社. 以来,グループウェアシステム,マルチメディア応用システムの研究開発,実用化に従事. 2018年,東京電機大学システムデザイン工学部情報システム工学科教授. 博士(工学). デジタルコンテンツクリエーション研究会幹事(2012-16年),主査(2020年-),放送コンピューティング研究グループ幹事(2003-12年),論文誌編集委員会ネットワークグループ編集委員(2018-19年),副査(2019年-),主査(2021年-),論文誌デジタルコンテンツ編集委員会副査(2019年-).

パネリスト 討論テーマ:条件付き採録とは

山田 太造(論文誌ジャーナル 知能グループ主査/東京大学)

山田 太造

【討論概要】投稿論文が一度の査読で採録と判定されることもありますが,多くは「条件付き採録」として判定されます.その場合の流れと,どのような論文が条件付き採録になるのかを話したいと思います.

【略歴】博士(情報学).国立情報学研究所特任研究員,東京大学史料編纂所特任助教,人間文化研究機構本部特任助教,東京大学史料編纂所助教を経て2020年より同所准教授.専門はデータ工学/歴史情報学.情報処理学会山下記念研究賞(2013年).情報処理学会論文誌編集委員会知能グループ委員(2018年~),同副査(2019年,2020年),同主査(2021年).

パネリスト 討論テーマ:条件付き採録を通すには

和佐 州洋(論文誌ジャーナル 基盤グループ主査/豊橋技術科学大学 情報・知能工学系 助教)

和佐 州洋

【討論概要】採録条件に対する著者の回答とそれに対する査読者の判定案をもとに⾏われる論⽂誌編集委員会の議論から,条件付き採録を通すためのヒントをご紹介します.

【略歴】2016年3月北海道大学 大学院情報科学研究科にて博士(情報科学)を取得.2016年4月から2020年3月 国立情報学研究所にて特任助教として勤務.2020年4月より現職.情報処理学会論文誌編集委員会基盤グループ委員(2018年~),同副査(2019年,2020年),同主査(2020年).

パネリスト 討論テーマ:査読報告書の書き方

北原 鉄朗(論文誌ジャーナル 情報システムグループ主査/日本大学文理学部)

北原 鉄朗

【討論概要】査読を引き受けて条件付採録にしたところ,著者が採録条件通りに論文を修正してくれず,困った経験はありませんか.そんなとき,もしかしたらあなたが書いた採録条件は誤解を生みやすいものになっていたのかもしれません.私からは,誤解の生みにくい採録条件の書き方について,ちょっとしたヒントをご紹介します.

【略歴】2002年東京理科大学理工学部卒業,2007年京都大学大学院情報学研究科博士後期課程修了,博士(情報学).関西学院大学博士研究員などを経て,現在,日本大学文理学部教授.音メディア情報処理の研究に従事.情報処理学会音楽情報科学研究会主査・幹事・編集委員,情報処理学会論文誌編集委員会ISグループ主査・副査・編集委員,電子情報通信学会論文誌編集委員,HI学会論文誌編集委員などを歴任.