情報処理学会第84回全国大会 会期:2022年3月3日~3日 会場:愛媛大学 城北キャンパス

中高生情報学研究コンテスト

日時:3/5 13:20-15:20

会場:第4イベント会場

【セッション概要】今回で第4回目となる「中高生情報学研究コンテスト」を開催します.2021年度からの中学校新学習指導要領の実施や,2022年度からの高等学校新学習指導要領の実施もふまえて,中学生なら「技術・家庭科」技術分野の「情報に関する技術」,高校生なら「情報科」に関する探究活動など,情報学分野に関しすぐれた研究活動を行なっている中学生や高校生に,全国的な研究発表の場を提供するとともに,優れた研究を行った中高生に賞を授与します.文部科学省、経済産業省、全国高等学校文化連盟などの後援もいただいています.また、田﨑丈晴先生(国立教育政策研究所・文部科学省)に講評・特別審査員をお願いしています.
共催:国立情報学研究所
中高生情報学研究コンテストWeb:https://www.ipsj.or.jp/event/taikai/84/84PosterSession/

09:30-12:00 発表準備

12:00-13:20 プレビュー・タイム

13:20-13:25 座長 オープニング

遠山 紗矢香(静岡大学 情報学部 講師)

遠山 紗矢香

【略歴】静岡県立浜松工業高等学校情報技術科卒業,中京大学大学院情報科学研究科にて博士(認知科学)取得.現在,静岡大学情報学部講師.情報学と認知科学を基盤としたICT活用教育や協調学習の実践研究に携わってきた経験を活かし,小学校から大学まで幅広く対象としたプログラミング教育の実践研究を行っている.静岡県教育委員会「ふじのくに学校教育情報化推進計画策定委員会」副委員長も務めている.

13:25-13:30 挨拶

喜連川 優(国立情報学研究所 所長)

喜連川 優

【略歴】1983年東京大学大学院工学系研究科情報工学専攻博士課程修了.情報処理学会会長,日本学術会議情報学委員長を歴任.データベース工学の研究に従事.2013年より国立情報学研究所所長.ACM SIGMODエドガー・F・コッド革新賞,電子情報通信学会功績賞,情報処理学会功績賞,IEEE Innovation in Societal Infrastructure Award,日本学士院賞など.2013年紫綬褒章,2016年レジオン・ドヌール勲章.ACM,電子情報通信学会,情報処理学会フェロー.中国コンピュータ学会栄誉会員.IEEE Life Fellow.

13:30-14:40 参加者間交流

14:40-14:50 休憩

14:50-15:00 表彰

中野 由章(工学院大学附属中学校・高等学校 校長)

中野 由章

【略歴】技術士(総合技術監理・情報工学). 本会シニア会員,初等中等教育委員会委員長,情報入試委員会幹事.情報オリンピック日本委員会理事. 日本IBM大和研究所,三重県立高校,千里金蘭大学,大阪電気通信大学,神戸市立高校を経て,工学院大学附属中学校・高等学校校長. 山下記念研究賞(2015),学会活動貢献賞(2016),科学技術分野の文部科学大臣表彰科学技術賞(2017),大会優秀賞(2018).

15:00-15:20 講評

田﨑 丈晴(国立教育政策研究所・文部科学省)

田﨑 丈晴

【略歴】国立教育政策研究所教育課程研究センター研究開発部教育課程調査官。文部科学省初等中等教育局における共通教科情報科及び専門教科情報科の教科調査官を併任。平成15年3月東京理科大学大学院修士課程経営工学専攻修了後,埼玉県私立高等学校,東京都立高等学校で情報科を,千代田区立中等教育学校で情報科及び技術・家庭科(技術分野)を担当し,東京都学校経営支援センター学校経営支援主事,東京都立中学校副校長を経て現職。

審査員

田﨑 丈晴,中野 由章,和田 勉,斎藤 俊則,高岡 詠子,井戸坂 幸男,大山 裕,竹中 章勝,辰己 丈夫,遠山 紗矢香,中山 泰一,坂東 宏和,米田 貴,奥村 晴彦,筧 捷彦,兼宗 進,久野 靖,松浦 敏雄,井手 広康,稲垣 知宏,角田 博保,稲葉 利江子,佐渡 一広,湯瀬 裕昭,松澤 芳昭,渡辺 博芳,西田 知博,長瀧 寛之,白井 詩沙香,尾崎 拓郎,小野 淳

展示番号 チーム名・ポスタータイトル・チームメンバー
分野・ポスター概要
#01旭川高専デジタルメディア局 「コロナ禍の行事に関する課題解決とICT・データサイエンスの活用」
川﨑 大誠(旭川工業高等専門学校 1年),小林 奈月(旭川工業高等専門学校 1年)
[問題解決とコンピュータの活用]
2021年7月の本校の体育大会では,コロナ禍での実施であるため,競技会場での観戦などの多くの人が集まれない状況で行われた.本研究は情報通信技術(ICT)を活用し,新たな観戦方法の確立やこれまでの本校の体育大会の課題の解決方法,感染症対策等の利点の提案を目的とする.新たな体育大会の観戦方法として,インターネットを用いたライブ配信を提案する.本校の体育大会の課題が解決されたことを検証する手段として,体育大会の実施の前後に期待度と満足度についてアンケート調査した.本研究ではこのアンケート調査をデータサイエンス(DS)の視点から分析する.本校は「COMPASS5.0」のAI・DS分野の実践校に採択されており,DSの研究を行う環境が整っている.アンケートの分析結果から,コロナ禍の行事にICTを活用することで,新たな観戦方法による学生の満足度の獲得や誰もが平等に観戦を楽しめる等の課題の解決がなされた.
#02慶祥自然科学部 「より安全な道案内アプリ」
児玉 源太郎(立命館慶祥高等学校 2年)
[ディジタル作品の設計・制作]
現在カーナビをはじめとする道案内アプリが普及しているが、画面を見ながら歩行する、あるいは自転車に乗ることは周りに注意がいかず危険だ。今回、画面に表示する情報量を減らし、音声のみでも目的地にたどり着けるような道案内アプリケーションを開発して、より安全にGPSによる道案内の恩恵を得られるようになることを目指す。地図を見ながら歩くという従来の方法ではなく、自分から見た方向および距離のみで案内を行うような道案内アプリを開発する。これにより、周りに注目して目的地を探す動作と合わせ周りへの注意を促す。また、自転車での利用も想定しており、上述の機能に加え同じアプリを使用する仲間の方向と距離を加えて示すことにより前方に集中して自転車を運転することができることが期待されるが、自転車に乗りながら音声を聞くことの危険性が課題である。
#03秋田高校 理数科 数学情報班 「秋田高校の3Dモデルの制作と避難訓練への応用」
泉 侑希(秋田県立秋田高等学校 2年),小野 颯太(秋田県立秋田高等学校 2年),佐藤 叶夢(秋田県立秋田高等学校 2年),信太 朝陽(秋田県立秋田高等学校 2年)
[ディジタル作品の設計・制作]
現在COVID-19の感染拡大を背景に全校生徒揃っての避難訓練は困難となっている。そこで避難経路の確認ができるシミュレーションシステムの開発ができないかと考えた。本研究ではマルチエージェントシステムを用いた避難行動シミュレーションの構築と最適避難経路の探索をし、unityによる秋田高校の3Dモデルの作成、3Dモデルでの避難訓練を行えるwebアプリの開発を行っている。
#04チームこんにゃく 「顔認証による自動体温計測管理システムの開発」
丹野 翔太(山形県立山形東高等学校 2年),相澤 七海(山形県立山形東高等学校 2年),板垣 慎之介(山形県立山形東高等学校 2年),小林 恒晟(山形県立山形東高等学校 2年)
[プログラムによる計測・制御]
本校ではGoogle formを用いて生徒の体温記録を行っているが、生徒の入力漏れが多い、教員が個別の入力状況を把握するのが難しいといった課題がある。そこで体温測定器に顔認証機能をつけ入力の手間を省く。また、体温異常者や登校時間までに体温測定を行なっていない生徒に対してリマインドする機能を実装することで生徒の入力漏れを解決する。また、教員向けの機能としてデータをクラスの出席番号順に並べ、体温異常者が分かるような表示システムを作成する。
#05山形東高校H8班 「Pythonによるドーナツ店の売上予測」
木野 紗花(山形県立山形東高等学校 2年)
[問題解決とコンピュータの活用]
私にはお気に入りのドーナツ店があるが、下校後時には完売していて肩を落とし帰ることがある。需要と供給のバランスを導き出せれば、私と同じような利用者、なおかつ御店主に貢献できるのではないかと思い、探究活動で学習中のPythonとExcelを用いて、過去データをもとに売上予測を開始した。
#06AIにできることはまだあるかい 「複数種データを用いたAIによる感情分析」
二階堂 遼(福島県立福島高等学校 2年),岡 郁吹(福島県立福島高等学校 2年),半澤 慶也(福島県立福島高等学校 2年)
[問題解決とコンピュータの活用]
警察庁のホームページによると、依然日本の自殺者数は多く、2020年、10年ぶりに増加が確認された。新型コロナウイルスによる社会活動の変化が原因の1つのようだ。複数種データによる感情分析AIでカウンセラーを補助することで、自殺者数の低減に貢献できるのではないか。既存のサービスは一種類のデータのみの使用が多いが、表情・声・発話文章という複数種データを用いて精度が向上するのか、Python3を用いて研究を行った。安倍元総理大臣の記者会見動画で試験分析を行った。補正前後で変化が大きい表情から読み取れる感情について、一般意見との比較と既存サービスによる分析結果との比較を行うと、どちらとも一致率が低かった。精度が向上したとは言い難いだろう。今後は、分析モデルの精査や補正方法の検討を行っていきたい。 
#07らいふらりー 「図書館案内・図書推薦ロボットの開発」
阿部 晴斗(福島県立福島高等学校 2年),大河原 友祐(福島県立福島高等学校 2年),二階堂 日向(福島県立福島高等学校 2年)
[問題解決とコンピュータの活用]
昨今コロナウイルスの影響により、自宅で過ごす時間が増え、本の需要が高まっていることが、2020年の出版物の推定販売額から分かる。しかし福島県立図書館にはそのような傾向は見られず、年ごとの来館者数は東日本大震災が起こる前と比べて6万人ほど低いという状態を保ち続けている。そこでより多くの人に図書館を使ってもらえるような新しいサービスを考える研究を始めた。我々は具体的なサービス案として、検索した本の場所まで利用者を案内してくれる機能、利用者一人ひとりにあった本を推薦する機能をもったロボットを導入することが有効であると考え、開発に取り組んできた。現在の段階では、PCからArduinoを通してモーターを制御しロボットを動かせるようになった。また推薦文と利用者が打ち込んだ文を照合し、本をお勧めできるようになった。課題としては、室内で使用できるほど正確な自己位置推定が難しいことと、全く関係のない本を推薦することがあるということが挙げられる。
#08福島高校AR班 「学校生活を利便化するAR地図アプリの開発」
菅野 哲将(福島県立福島高等学校 2年),加藤 飛天(福島県立福島高等学校 2年)
[ディジタル作品の設計・制作]
近年,仮想現実(VR)や拡張現実(AR)といった技術に注目が集まっている.しかし,2020年の10代への調査ではVRの認知度が75%を超えているのに対し,A Rの認知度は40%ほどと差がある.私たちは,ARはVRと比較するとゲームなどのアミューズメントに利用しにくいことが理由の一端であると考えた.また,学校などの公共施設でのA Rの使用例を聞かないことに気づいた.これらのことから,AR技術の知名度向上,学校生活の利便化を目的としてARアプリの開発を試みた.現在の学校生活における問題について考察した結果,「道に迷う」問題があった.平面地図は用意されているものの,階層間の照合が難しく実際に地図を見る者は殆どいない.そこで,ARを用いて校舎の3D地図を出現させるアプリの開発を進めた.アプリのβ版をリリースし生徒からアンケートを取った結果,地図上での現在地の表示やユーザーインターフェースの改善などの要望が挙げられた.
#09県立福島高校ドローン班 「画像比較を用いて迅速に被災箇所を検出する」
齊藤 まりあ(福島県立福島高等学校 2年),大塚 千紘(福島県立福島高等学校 2年)
[問題解決とコンピュータの活用]
本研究の目的は、災害の多い日本において、災害時に画像解析を用いて被害箇所を検出する方法を確立することである。
まず、作成した自動画像比較ソフトImageMonitorとPythonのライブラリOpenCVを使用し、異なる角度と固定角度から撮影した2つの画像の組をそれぞれ比較した。結果、共に各ペア間に差分が検出された。画像分析において、比較する画像同士の撮影角度が一致する必要があることが示唆された。
次に、4点の座標を指定して四角形を任意の形に変形する射影変換で画像を変形し、変形前後の画像を比較した。検出された差分が小さくなったため、射影変換は有用である。
さらに、正確な座標を設定するため、輪郭と色の検出を行った。結果、輪郭検出では全ての輪郭を検出できず、色検出では画像内の複数色が検出された。従って、これらの方法は不適当であると判断した。
実験結果から、比較する画像同士の撮影角度が一致する必要があり、射影変換は有用であると分かった。
#10KANJO線 「感情をリアルタイムに共有するオンライン会議、授業サポートシステム」
佐藤 佑海(小山工業高等専門学校 3年),秋本 瑞貴(小山工業高等専門学校 2年),加藤 裕槻(小山工業高等専門学校 1年),渡邊 了晟(小山工業高等専門学校 1年)
[情報通信ネットワークとコミュニケーション]
現代、新型コロナウイルスの影響でオンライン授業、会議が増えている。しかし、オンラインの発表者は対面と異なり、表情やつぶやきなどの聞き手の反応を確認できない課題がある。これはオンライン授業、会議において、多くのケースでプライバシー保護の観点で聞き手側がマイクやカメラをミュートにしていることが原因である。この課題を解決する為、我々は聞き手の体温、脈拍の変化から感情を分析し、発表者にリアルタイムで共有することでオンライン上では伝わらない聞き手の反応、感情が伝えるアプリケーションを提案する。本研究では聞き手に体温、脈拍センサを装着、データを取得し、アプリケーションサーバーへ送信・分析することでその感情を分析、結果を発表者に表示することでリアルタイムに感情を共有する機能を実装した。この提案システムを導入することで社会のオンライン上のコミュニケーションをより快適かつ円滑にサポートできるようになる。
#11小山高専翻訳学部 「ウェアラブル型自動翻訳システムの開発」
印南 諒祐(小山工業高等専門学校 3年),萩原 大貴(小山工業高等専門学校 3年),飯野 雅翔(小山工業高等専門学校 2年),関根 龍充(小山工業高等専門学校 3年)
[問題解決とコンピュータの活用]
現在、グローバル化における多言語コミュニケーションに様々な翻訳デバイスやアプリが利用されている。しかし、これら既存製品はデバイスを手で操作する、目視で翻訳結果を確認する、などによる「ながら行為」を誘発する、または複雑な操作が必要であり、安全性と利便性に課題がある。そこで、我々はそれらを解決する為の新たな翻訳システムを提案し、この実証のために、目線カメラ・タッチセンサ・画像認識・翻訳・骨伝導イヤホンを用いた音声出力機能で構成される実証システムを開発した。本システムでは専用のヘッドバンドを着用することで、外国語の文字に目線を合わせ、指に付けたタッチセンサに触れるだけで、文字列の認識、翻訳、音声出力を自動的に行うことができる。今後の展望として、より実用性を高めるために、サービス処理を一つのデバイスに完結できるように計算処理端末のウェアラブル化やユーザーインターフェースを改良していく。
#12Appale 「飾り切りガイドシステムの開発」
横井 蛍汰(小山工業高等専門学校 2年),大槻 駿斗(小山工業高等専門学校 2年),岡島 佑樹(小山工業高等専門学校 2年)
[問題解決とコンピュータの活用]
料理を美しく見せるために飾り切りは必要であるが、料理初心者にとってはハードルが高い。多くの人はスマホなどで検索をしながら飾り切りの方法を学んでいくが、そこにはスマホが汚れたり、画面を見ながら同時にできないという問題点がある。それらの問題を解決するために、画像認識を用いて飾り切りをリアルタイムでカメラ映像にガイドするシステムを開発した。
#13raspberry KOGA 「モールス信号を用いた新しいコミュニケーションツール」
古賀 太陽(小山工業高等専門学校 3年),會田 清太郎(小山工業高等専門学校 3年),田村 哲(小山工業高等専門学校 3年),ハオ (小山工業高等専門学校 3年)
[問題解決とコンピュータの活用]
私たちは身体の一部しか動かせない病気や障害を持っている方と簡単にコミュニケーションを取り合える新しい手段を開発したいと思いました。そこからモールス信号を用いた新しいコミュニケーションツールを考えました。モールス信号を用いる事で「トン」と「ツー」のみの簡単なボタンの入力のみで文字や伝えたい事を表現できます。これらのアイデアをraspberry piとLEDパネルを組み合わせる事によって具現化する事が出来ました。現在、多機能で便利な情報伝達手段が確立されている中でいかに簡単で患者さんに負担を与えないように意思疎通を図ることができるかがコンセプトになっています。デザインや使いやすさ、そして何よりコンセプトに沿う機能。どこか懐かしい通信手段と全く新しいシステムの融合で新たなコミュニケーションツールの一つとして確立させました。
#14高々1619@物理部 「スマート盲導杖「道しる兵衛」〜AI搭載白杖による視覚障害者歩行支援〜」
高田 悠希(群馬県立高崎高等学校 1年)
[ディジタル作品の設計・制作]
視覚障害者の歩行時の危険を回避する目的で、画像認識AIを搭載した白杖を小型コンピュータ「RaspberryPi」を用いて開発した。従来の白杖は、触れることにより障害物を検知し歩行時の視覚障害者を危険から護る道具だが、そのアナログな仕組みでは、視覚障害者を歩行中の重大事故、例えば駅ホームからの転落事故や歩行者や自転車との衝突事故から護ることは困難である。そこで白杖に測距センサーを取り付けた「電子白杖」の開発がこれまでにも行われてきたが、それも上記のような重大事故を防ぐには不十分である。ここで、画像認識Alを用いて視覚障害者の「目」の代わりとなる機能を白杖に持たせることを考えた。この白杖は、線路や横断歩道などの画像を学習させた独自のAlと搭載したカメラにより、その有無を使用者に伝え、転落事故や交通事故の防止に繋げることができる。また、センサーではなく、カメラ画像から前方の歩行者や自転車を検知することで、より早くそれらの存在を伝え、衝突事故を回避することが可能となる。
#15群馬県立高崎高等学校物理部2年 「予測で換気を促す次世代CO₂モニター 〜「Raspberry Pi」を用いたシステム開発と数理モデルによる解析〜」
佐藤 弘基(群馬県立高崎高等学校 2年),伊藤 俊介(群馬県立高崎高等学校 2年),山本 航紀(群馬県立高崎高等学校 2年),渡部 翔太郎(群馬県立高崎高等学校 2年)
[プログラムによる計測・制御]
新型コロナウイルス感染症対策として、本研究では学校生活における教室での換気を促したり、CO₂濃度と在室人数との関係を調べたりする目的で、小型コンピュータ「Raspberry Pi」を用いて、CO₂濃度と在室人数(カメラと物体検出AIで測定)を同時にモニタリングするシステムを開発した。このシステムは換気のタイミングを音声やLINEによる通知で知らせたり、自動で換気扇を回したりすることができる。
 また、このシステムを実際に校内で稼働させ、データを収集した。この結果、数理モデル「ザイデルの式」で計算したCO₂濃度の理論曲線と、 CO₂センサーで測定した実験データが良く一致することがわかった。これを応用し、数時間後のCO₂濃度を計算し、事前に換気を促す次世代CO₂モニターの開発にも成功した。
#16工藤 蒔大 「画像からの情報漏洩防止に関する研究」
工藤 蒔大(早稲田大学本庄高等学院 3年)
[問題解決とコンピュータの活用]
ここ数年でスマートフォンが急速に普及した。また、TwitterやInstagram、Facebookといったソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)が若者を中心に普及している。SNSの利用者は、文字や画像、動画などの情報を受け取るだけでなく、発信することもできる。しかし、これらは不特定多数に公開されてしまうことがある。加えて、スマートフォンの普及と共に、画像センサの技術が発達し、画像や動画の高画素化が進んだ。撮影された写真は綺麗になり、顔や指紋などの個人情報を多く含まれるようになってしまった。それだけでなく、建築物や住所が書かれた書類などが写り込み、それらを手掛かりに住所や撮影した場所を特定されてしまう可能性もある。そこで、本研究では画像に含まれる個人情報や特定につながる情報を検出し、それらを表示及び処理するシステムを提案および開発し、画像からの情報漏洩のリスクを低減させる。
#17投票の時間がやってきました! 「投票装置」
村田 航志(市川高等学校 2年),青木 成実(聖徳学園高等学校 2年),田村 優空(神奈川県立光陵高等学校 2年)
[問題解決とコンピュータの活用]
学校生活において、多数決はクラスの中での意思決定で最も使われる方法である。多くの場合では多数決は挙手で行われるが、その際どれにも手を上げない「無関心」な人が一定数いる。そこで、私たちは、投票方法に注目し、クラスのメンバーが楽しみながら投票できるツールを作ろうと考えた。作成にあたって、手元にある装置から投票を行うことで、アプリなどで行うよりも投票に参加しているという意識や結果を信頼することができると考え、マイクロビット使用した投票装置を作成することとした。投票を集計する部分と投票をする部分を分けてつくり、無線で繋ぐことですべての投票集めて集計することに成功した。また、実際に、15個程度のマイクロビットを使用して、一つの教室の中で投票し、集計することに成功した。改善を加えて、さらに便利で、かつ、正確に投票結果を集計できる投票装置を目指す。
#18タングステンマッカローニ 「誹謗中傷の対策」
小川 恵理也(千葉明徳高等学校 2年),坂本 歩海(千葉明徳高等学校 2年),土橋 拓真(千葉明徳高等学校 2年)
[情報社会の課題と情報モラル]
私たちのチームでは、今後の情報社会の課題と情報モラルというテーマにおいて誹謗中傷について考えました。そして「匿名」ということが誹謗中傷を助長しているという結論に至りました。「匿名」はネットを使うなかで自身のプライバシーを守るという非常に大きな役目を持っている。しかしその一方で、自身は「匿名」であるということをいいことに自分勝手な発言をしていいと思っている人がいます。そんな人によって誹謗中傷が生まれ悲劇が起きました。今後更なるインターネットの普及•進歩により誹謗中傷は増えていくと考えています。そのため今後誹謗中傷を減らしていく対策として私たちが考えたのは、アカウントを作る際に住所などある程度の個人情報を登録することです。そうすることで、悪質なつぶやきをしている人を特定することが容易になり抑止力ににつながると思います。
#19NTTTコドモ 「「人の心」を再現したAIを作るには?」
高波 知弘(千葉明徳高等学校 1年),田中 悠真(千葉明徳高等学校 1年),戸取 駿(千葉明徳高等学校 1年),野澤 翔喜(千葉明徳高等学校 1年)
[情報通信ネットワークとコミュニケーション]
他人とコミュニケーションがとりたくてもとれない人が取れるようになることで、ストレスの軽減が期待され、感情を理解して動作する装置を作ることが出来るようになることにより、より便利になると思ったので調べることにした。前回の論文「研究No.20 エヴァンゲリオンに見る思春期課題の解決法」で碇シンジの思春期課題の多数の要因がもたらしたのは「コミュニケーション不足」と「愛の欠如」である。それにより、不安定な精神状況をもたらし、現実逃避、引きこもり、自立ができない、スマホ依存症などを引き起こすことが分かった。今回の論文はその要因を解決するために研究する。この研究の目標は、人はコミュニケーションを取るために「話す」ということをするため、AIが人と話せるようになり、「人の心」を調べ、それをAIに適用し、感情のあるコミュニケーションを取ることを目標とする。
#20こしあん 「空気抵抗を考えた斜方投射の最適投射角」
萩原 明香里(お茶の水女子大学附属高等学校 2年)
[プログラムによる計測・制御]
空気抵抗が働かない状態での最適投射角(飛距離が最大になる角度)は、45度である。しかし、特殊な環境でない限りは空気抵抗力や揚力が働くため、最適投射角は変わってくる。そこで、本研究では、空気抵抗を考えた斜方投射の最適投射角を、Unityで作成した物理シミュレーションによって求めた。なるべく正確な軌道になるように、速度によって変わるレイノルズ数から抗力係数を求めて、より正確な斜方投射の軌道のシミュレーションを試みた。実験の結果、最適投射角は45度より小さい角度になった。また。質量や初速などの条件を変えると空気抵抗力の受け方に違いが見られ、最適投射角も変化していくことがわかった。
#21ミートソース 「擬人化を使って化学を楽しもう!」
中村 理恵子(東京都立多摩科学技術高等学校 2年),阪口 亜衣(東京都立多摩科学技術高等学校 2年),知久 来斗(東京都立多摩科学技術高等学校 2年)
[問題解決とコンピュータの活用]
私たちの研究は、化学への関心を向上させることを目的とする。そのために、擬人化を用いた化学の学習ツールを作り、それが効果があるかを、実際に使ってもらい、調べた。化学は、覚えることが多い、構造式や反応の仕組みが複雑で紛らわしい、理解していないことが一つでもあると次の理解につながらない、等の様々な理由で敬遠されている。そのため、単なる化学の学習アプリではそのようの人たちが興味を持つことは考えにくいと考えた。そこで、まず擬人化を用いた学習ツールを開発し、それを化学に苦手意識を持っている人に使ってもらう。そうすることで、その使用者の化学への関心を上げ、実際に化学の学習をすることを促すことができる。
#22八ツ橋 「より見やすいスライドへの自動修正ソフト~プレゼンに最高のパートナーを~」
百瀬 龍之介(東京都立多摩科学技術高等学校 2年),岡野 隼真(東京都立多摩科学技術高等学校 2年),北野 昊(東京都立多摩科学技術高等学校 2年)
[問題解決とコンピュータの活用]
今日、プレゼンの機会が多く存在し、スライドの見やすさが常に求められている。しかし、見やすいと感じるスライドの基準を明確に理解している人は少なく、「見やすいスライド」に修正するのはレイアウトの知識と時間が必要である。そこで、様々な資料から「見やすいスライド」に関する情報を収集し、「見やすいスライド」の基準を設定した上で、既存の作成済みのパワーポイントをその基準に合わせて自動修正を行うソフトウェアを開発した。このソフトにより「見やすいスライド」が普及し、グループ内での会議をより円滑にしたり、発表会で聴講者の理解を促進することが目的である。
#23テンソルナマズ 「映像の特定領域における顕著性の最適化」
浅田 睦葉(東京都立桜修館中等教育学校 6年)
[プログラムによる計測・制御]
動画編集において、視聴者にある特定領域を注目させたいケースは往々にして存在する。一方で、極端にその領域以外を黒く塗りつぶすと注目させることはできるが動画が表現可能であった情報が欠落してしまう。そこで、元の映像からなるべく処理による変化を小さく保ちながら注目度を表せる顕著性を最大化するようなフィルターの組み合わせを計算することで、編集者の負担を軽減しつつ特定領域を注目させる事ができる。
#24TERABYTE MS1 STRIX TKGeforce RX 7990TiXT 「運動を促進させるウェアラブル端末の開発~運動量のリアルタイム見える化~」
草島 光太(東京都立多摩科学技術高等学校 2年),寺尾 禅(東京都立多摩科学技術高等学校 2年)
[問題解決とコンピュータの活用]
近年、様々な理由により人々の運動量が低下している。私たちはその理由の一つとして「人々の運動に対するモチベーション低下」に着目した。このポスターでは、人々の運動に対するモチベーションを回復するため、「運動量のリアルタイム見える化」を可能にするウェアラブル端末の開発について発表する。
#25多摩科技映像制作班 「音声認識を用いた3D映像制作における作業効率化の研究」
留奥 ななせ(東京都立多摩科学技術高等学校 2年),平井 瑞希(東京都立多摩科学技術高等学校 2年),阿久津 莉咲(東京都立多摩科学技術高等学校 2年)
[ディジタル作品の設計・制作]
現在、映画やネット動画に代表されるように、3Dアニメーションを使用した映像制作が盛んになっている。3Dアニメーション制作時の作業要素は、音声と3Dモーションある。音声は実際の声をサンプリングする方法だけでなく、機械音声を作成するという方法がある。3Dモーションは元になる3Dモデルを動かすモーションプログラムで構成される。モーションプログラムは大まかな体の動きと、顔周りの動きで作成方法が異なってくる。しかし、これら従来の方法は作業過程の多さや、技術的な敷居の高さから、初心者が3Dアニメーションを手軽に製作しにくく、コンテンツの充実が問題となっている。そこで本研究では、「一音一音に合わせたパターン選択」「音声データに合わせた動きの設定」「表情決定を言葉の抑揚を用いて行う」の三つの作業工程を自動化することで、上述の従来作製方法に比べ作業コストを大幅に削減し、コンテンツの充実を図ることを目的とする。
#26多摩科技非接触入力アプリ制作委員会 「カメラを用いた非接触入力アプリの開発」
堀田 晴斗(東京都立多摩科学技術高等学校 2年),鳥谷 颯来(東京都立多摩科学技術高等学校 2年),仲居 和歩(東京都立多摩科学技術高等学校 2年),中野 祐喜(東京都立多摩科学技術高等学校 2年)
[ディジタル作品の設計・制作]
手が操作に適していない状態であると,スマートフォンを快適に操作することができない.本研究は,Androidスマートフォン上でフロントカメラを用いて,非接触入力を可能にするアプリケーションの開発である.フロントカメラを通し,mediapipeを使用することで手の形状を認識させ,非接触による操作を可能にする.
#27タマカギshorバージョン 「Shorのアルゴリズムにおける周期についての研究」
小野 凜成(東京都立多摩科学技術高等学校 2年)
[問題解決とコンピュータの活用]
近年、量子コンピュータの発展により、現在最も主要な暗号化方式の一つであるRSA暗号が20年以内に解読される可能性が高くなってきている。しかし、量子コンピュータの研究に関われる人間はごく一部であるため、それ以外の手段で危険性について研究する方法が必要である。そこで、最も汎用性のあるノイマン型コンピュータによる解読方法を考えることにした。この研究では、ノイマン型コンピュータで“Shorのアルゴリズム”を用いて素因数分解が困難ということを利用したRSA暗号を解読するために、Shorのアルゴリズムの中で大部分の計算量を占める周期検出をより少ない時間で通過することを目的としている。
・合成数Nと周期検出に用いる配列を作る一般項an =a^n mod Nの定数a(0・(N,a)における周期を出す時間を計測し、Nやaが処理時間や周期の長さにどう関係するかを調べて処理数をあらかじめ予想することで、より少ない処理数で周期を検出する
等のアプローチにより目的の達成を図る。
#28大泉高校数理情報A 「渋滞を解消するにはどうしたらよいか?」
岩嵜 湧紀(東京都立大泉高等学校 2年)
[情報の活用と表現]
昔から現在まで,車に乗ったことがある人なら誰もが経験したことであろう現象,「渋滞」。時にはそれが原因で事故が起こってしまったり,トラブルが発生してしまったりすることもあり,時間にシビアに生きている現代人の我々にとって渋滞はますます解決すべき問題となりつつある。そこで国土交通省が公開している「平成27年度全国道路・該当交通情勢調査」における高速道路交通量調査の集計結果整理表・箇所別基本表・時間帯別交通量表を用い,混雑率と様々な要因との関係を調べた。相関をExcelにてCORREL関数で求め,これらをヒートマップで表し可視化した。また、目的変数に混雑度を適用し重回帰分析を行った。更にデータにあった路線名から対応する住所を調べgeocodingを用いて一つ一つの緯度,経度を求め, foliumを用いて地図に表し地理的にも混雑度を可視化した。
#29大泉高校数理情報B 「公共交通機関を用いた最短経路を導き出すにはどうすればよいのか?」
大島 瑠美(東京都立大泉高等学校 2年)
[問題解決とコンピュータの活用]
例えば目的地まで電車を使って移動する際、現在地の最寄り駅と目的地の最寄り駅の路線が違うと遠回りして乗り換えなければならないことがある。バスも併用すれば電車ほど遠回りしなくても良いルートがあるかもしれないが、どの駅からどこへ行くバスが出ているかを全て調べて、最も短い時間で目的地に到着するルートを組むのはとても大変だ。そこで、駅から駅を、バスと電車を組合せて最短経路で到着するためのプログラムをPythonでダイクストラ法を用いて開発した。このプログラムは、自身が以前作成したRPGゲームを最短経路でクリアする為の経路を求める為のプログラムを元に開発した。ゲーム内にあるノードを120個から31個に絞ってプログラムを開発した。それぞれのノードを座標平面上に表して、その座標を用いて最短経路を計算する。座標平面で表す際に少し簡略化している為、実際の位置関係とのズレが生じるのが課題点だ。
#30大泉高校数理情報C 「楽曲の雑音を消して綺麗な音にするにはどうすればよいか?」
小松 稜(東京都立大泉高等学校 2年)
[問題解決とコンピュータの活用]
自分達の過去の合唱コンクールの音声を聞いた時、雑音が多すぎて合唱に集中することが出来なかった。「せっかく頑張って練習したものだから綺麗な音声で聞きたい!」と思い、プログラミングを利用して雑音だけを抜き出そうと考えた。そこで、Google Colabratory上で短時間フーリエ変換と逆フーリエ変換を利用して対象の音声データを利用出来る形へと変形して、また元の形に戻すことで雑音のない音源だけを抜き出すことのできるようなプログラムを考えた。結果、librosa内にあるharmonicを使って調波楽器音と呼ばれる雑音のない合唱音声を抜き出すことができた。初めはピアノだけの音声を抜き出そうと考えていたが、それは無数の音声データから一つの音声データを見つけるというもので、自分のアプローチの仕方では成功することができなかった。これからは、プログラミングについての知識を深めてから、ピアノだけの抜き出しに挑戦したいと思う。
#31大泉高校数理情報D 「飲料ドリンクの嗜好と価格の印象は時間帯によってどのように変化するか?」
天瀬 泰輝(東京都立大泉高等学校 2年)
[コンピュータと情報通信ネットワーク]
私たちの生活に欠かせない存在となっている飲料だが、飲料企業は水だけでなく、清涼飲料水を小売店や自動販売機を通して販売している。清涼飲料水の種類は多岐にわたる。清涼飲料水を分類する要素として主に価格、味で大きく分けられる。また清涼飲料水を飲む場面の要素として主に場所、時間で大きく分けられる。本研究では、これら清涼飲料水について種類と顧客の需要の相関を把握するため、嗜好と価格印象は時間帯によってどのように変化するのかについて研究した。本研究では、都立大泉高校に設置してある自動販売機の清涼飲料水をサンプルとして一、二年生を対象にアンケートを行いそこから得られた結果をもとにコレスポンデンス分析や主成分分析、kmeans法によるクラスタリングなどを用いて分析を行った。そしてそこから得られたグラフやデータを活用し都立大泉高校に適した清涼飲料水とその価格を調べた。
#32大泉高校Techcamp 「インターネット利用の格差の研究」
佐々木 俊輔(東京都立大泉高等学校 1年)
[問題解決とコンピュータの活用]
新型コロナウイルスが地球規模で猖獗を極める現在、⽇本の教育現場ではオンライン授業が導⼊され、インターネット利⽤に関する格差が問題となっている。世界的にもアフリカや南アジアでインターネット利用率の低さが目立ち、先進諸国との格差は顕著である。そこで、国際間のインターネット利用の格差是正について研究した。Pythonを⽤いて線形系・決定⽊系の回帰分析をそれぞれ交差検証法とグリッドサーチを利用して行い、インターネット利用率を予測するモデルを構築した。その際、52件の論文のテキストマイニング結果等を参考に8項目のデータを取得し、2変数の積項も追加して説明変数を44項目とした。SHAPモデルにより、所得や識字率、経済・教育分野の男⼥格差がインターネット利用率に影響すること、特に所得が与える影響が大きいことが分かったが、今後は所得格差の解消についても考究する必要があり、より具体的な解決方法を示したい。
#33大泉高校数理情報E 「国旗と世界情勢には何らかの相関があるか?」
木村 駿吾(東京都立大泉高等学校 2年)
[問題解決とコンピュータの活用]
あなたは「モザンビーク」という国を知っているだろうか?知らない人がほとんどだろう。しかし、この国、実は日本の約2倍もの領土を持ち、人口も約3000万人というアフリカの大国なのである。このような大きな国でもあまり耳にしないことから、世界の広さを改めて認識できる。グローバル化が求められている昨今、世界を知っていることは必要不可欠かもしれない。そこで考えたのが、“国旗と世界情勢には何らかの相関があるのではないか”だ。国旗が似ている国同士に他の要素でも共通点があれば、新たな観点から世界を捉えることが出来ると考えた。では、“国旗が似ている国“はどう定義するのか。私が使うことにしたのは、画像認識を用いたクラスタリングである。コンピュータを使うことで客観的な分類ができ、主観を排除できる。クラスタリングを用いて分けたグループと、世界各国の発展に関わる何らかの項目を比較し、共通点や相違点の理由を考察する。
#34UECスクールB-3 「光と音で分かる節電装置」
酒井 理央(鴎友学園女子高等学校 1年),金丸 知優(東京都立調布北高等学校 1年)
[問題解決とコンピュータの活用]
近年、「地球温暖化の進行を遅らせる」ことが世界中で注目されており、省エネが呼びかけられている。そこで私たちは、長い時間のエネルギーの浪費につながる、外出時の電気の消し忘れに着目した。現存の節電システムの問題点として、家中の形状の違う電気を一度に管理することができないことが挙げられる。この課題を解決するため、光と音を利用してそれぞれの部屋に電気がついているかひと目で確認できる装置を製作した。この装置では、玄関に親機のmicrobitを1台、各部屋に子機のmicrobitを一台ずつ設置することを想定して作成した。親機は、子機と無線で通信して、各部屋の明かりの状況を集め、光と音によって示し、子機は、各部屋の明かりの状況をセンサーで計測し、親機に数値として送信する。作成にあたっては、実際に家庭で使う際の様々な問題点を想定し、改良を加えながら製作した。
#35玉川学園ロボット班 「お手伝いロボットの研究」
浦田 大智(玉川学園高等部 1年),齋藤 ゆい(玉川学園高等部 1年)
[プログラムによる計測・制御]
私たちは人の助けになるようなお手伝いボットを作りたいと考えている。これを実現させるために、部屋の中にあるいろいろなものの中から対象物を認識して、それをつかんで持ってこれるロボットの開発を目指した。対象物を発見し、正確に近づく方法として、AI搭載学習型のカメラでの画像認識を行い対象物を発見し、近くまで来たらPSDセンサーを使って対象物正確な位置を把握した。そして対象物をつかみ持ち上げられるロボットアームを作成した。物体の認識には、形状認識、色認識、タグを貼って認識する方法の3つを試した。今回分かったのは、色を認識するモードで対象物を探せば、3m離れていても認識して発見できた。しかし、似た色のものを誤認識したり、1種類のものしか見つけられないため、今後はタグを使って複数のものを区別して持ってこれるように改良していきたい。
#36玉川でサイエンスな清水 「健康観察の映像監視システム開発」
清水 陵佑(玉川学園高等部 1年)
[プログラムによる計測・制御]
人認識プログラムの技術は、犯罪防止の監視カメラや自動車の緊急停止など様々な場面で活用されている。私は、この技術を応用した新しい着眼点はないかと考え「健康状態の監視」に応用したいと思った。一人暮らしのお年寄りが、庭仕事をするときなど熱中症で倒れたときに、それを自動的に察知できる監視システムに人認識の技術を活用して開発を行った。
そして、本研究にてOpenCVを用いて人の認識に成功した。やはり余計な部分までも人として認識しているようだが実行速度は287.1msとかなり早い。認識された座標の標準偏差から動いているか静止しているかを精度よく区別できた。姿勢推定はOpenPoseで抽出した人の胴体の線からその線の傾きを計算できるようにした。これにより座っていて動いていないのか、倒れているのかを精度よく判断できた。二つを統合して使用した結果リアルタイムで健康監視ができるシステムの開発に成功した。
#37國吉仁志 「協調作業ロボットのモデル開発」
國吉 仁志(玉川学園中学部 3年)
[望ましい情報社会の構築]
私は、人と言語コミュケーションを取りながら協調作業できるロボットの機械学習モデルを提案した。提案した機械学習モデルは、通常のSeq2Seqに随時入力を追加できるように改良した。これは、ロボットが作業している間も、常に人の「人からの指示」を入力できるようにするためである。また、「ロボットからの提案」も追加できるように改良した。これにより、人とロボットがコミュニケーションとることが可能となった。この改良の有効性を検証するために、協調作業として荷物持ち上げタスクを提案し、データセットを開発した。結果は「人からの指示」を加えることで人の動作の変化に対応できるようになり、「ロボットからの提案」を加えることで目標時間内に作業を終わらせることに成功した。人と協調して作業できるロボットのモデル開発に成功した。今後は、自然言語に近いコミュニケーションに対応し、介護ロボットのような人に役立つ応用を目指したい。
#38kei 「「ロボットがいれば人間はいらない」未来を教育で変えていく」
殖栗 慧(桜美林高等学校 1年)
[問題解決とコンピュータの活用]
AI化が進む現代。人間のようなロボット、料理をするロボットなどニュースで一度は見かけると思う。今後ロボットが日常にいることが当たり前になった時、問題になることはなんだろうか。大抵の人はロボットが自我を持ち始めたり、暴走して支配される事を思い浮かべるかもしれない。しかし、ロボットが暴走するよりももっと恐ろしいことがある。それは「自分たちが気づかない間にロボットに支配されている、あるいは依存する事」だ。例えば、AIが進んだ世の中。人間がすることといえば食べて寝るしかない可能性がある。人間が今まで生きがいとしていた仕事という存在は奪われ、生きる意味を失う。便利を求め、すべてをAIに任せた代償でできたそのような世界になった時、果たして人間は何を目的に生きていることになるのだろうか。そのような未来を防ぐために、今回教育という手段で未来を変えることを目指す。教育とコンピュータを用いた「未来を救う」計画である。
#39π&cone 「Log4jゼロデイ脆弱性を対象とした検知器の作成と評価」
二ノ方 理仁(芝中学校 3年)
[コンピュータと情報通信ネットワーク]
2021年の12月、Javaの外部ロギングライブラリLog4jに脆弱性が発見された。これはまだ対策が公表されていないゼロデイ脆弱性であり、修正されるまでサーバが無防備な状態になる問題があった。この問題を解決するためには、対象のサーバに脆弱性が含まれているかどうかをできるだけ早く検知し、サーバを止めるなどの対応を迅速に行う必要がある。今回、Log4jの脆弱性があるウェブサーバを対象とした検知器を作成し、Log4jの脆弱性の検知度を評価した。
#40宇枝礼央 「自作アルゴリズムの開発とその考察」
宇枝 礼央(杉並区立中瀬中学校 2年)
[問題解決とコンピュータの活用]
ルービックキューブには43,252,003,274,489,856,000もの配置のパターンがありますがすべて20手以内に揃えられると言われています。それをベクトルのなす角を使ったオリジナルアルゴリズムで解く試みとその結果、今後の展望。
#41創価高校Aチーム 「スマートフォンカメラを用いた複数人物の3D姿勢推定とその応用」
東 翔生(創価高等学校 2年)
[問題解決とコンピュータの活用]
最近、VR/AR技術が身近になるにつれ、人物の姿勢を3D空間に投影する需要が高まっている。本研究では深層学習を用いて、スマートフォンのカメラから手軽に人物の姿勢推定を行う方法を提案する。従来の主な手法では、Kinectなどの深度センサ付きカメラや、マーカーのついたボディースーツを用いて行われているが、機材の導入にコストがかかることや、機材の装着の負担が大きいことなどの問題がある。また、従来のRGB画像を用いた姿勢推定も、単眼による複数人かつ3Dという制約下では、盛んに行われている2Dの推定に比べて進んでいない。そこで、本研究では身近にある1台のスマートフォンのカメラの映像から、深層学習によって、複数人の姿勢とその深度を同時に推定し、リアルタイムで3D空間に投影するシステムの開発とその応用を試みる。
#42地震による被害を抑える 「地震検知器で地震に備える」
福田 玲(東京電機大学高等学校 1年),石川 達一朗(駒込高等学校 2年)
[プログラムによる計測・制御]
日本は地震が多く、発生するたびに人々は不安を感じその地震に関する情報を求めます。そこで、揺れた直後に自分のいる場所の震度がどの程度かわかるものがあったら安心できると思い、震度や地震の規模がすぐに分かるものを作ろうと考えました。これは、緊急地震速報があるから必要ないのではないかと思うかもしれません。ですが、緊急地震速報は一部の離島を除いた国内のほぼ全域すべての住民を対象として、震度5以上が予測されたときに発表され、テレビ放送や携帯端末などで「震度4以上の強い揺れとなる地域」を伝えるもので、発表基準が低いため誤報の可能性が高いです。これに対して、私たちの考える地震検知機は装置が置かれている現場の揺れを感知し音と光の色で震度を人々に伝えることで、正確かつその地域に限定した震度と規模を知らせ、被災者それぞれの避難等の自己判断を補助することを目指します。
#43She Say De Micro:bit 「micro:bitを用いた姿勢の測定」
角井 誠也(東京都立狛江高等学校 2年),安永 凌(東京都立成瀬高等学校 2年)
[問題解決とコンピュータの活用]
近年、コロナ禍によるテレワークの増加、外出行動の自粛による家にいる時間が増加している。したがって、座っている時間も増加傾向にあることが分かっており、それによる姿勢の悪化がコロナ禍の問題の一つとなっている。そこで、microbitを用いた姿勢測定装置を製作した。この装置は、背中に装着するものであり、そのときに姿勢が悪くなり、私たちが実験をもとに設定した許容値を超えると、LINEから通知が届くようなシステムである。この装置を用いることにより、大きく三つのメリットが挙げられる。まずはじめに、自分が姿勢が悪いということを自覚することできる。そして肩こりや腰痛、関節痛などの身体に及ぼす悪影響を防ぐことができる。さらに運転中の居眠り防止の対策の一つにもなると考えられる。
#44順位決定方法研究班(1人) 「精度の高い順位決定方法を探そう!」
松本 凜太郎(東京都立小石川中等教育学校 5年)
[問題解決とコンピュータの活用]
1対1で行われる競技の大会では、トーナメント形式が採用されている。トーナメントでは、多くの場合1位〜3位までが決定され、ほかの選手はn回戦進出といった結果が与えられる。これを見て私は、1~3位以外の順位も決定できる方法はあるのではないかと考え、トーナメント形式を拡張した方法を考えた。しかし、これによって得られた順位は不正確なのではないかと思った。そこで、大会の参加者全員の順位を簡潔かつ高精度に決定できる方法を新たに見つける研究を始めた。研究にあたって複数の順位決定方法を考案して実力の優劣が定められたN人の参加者に対して順位決定を行い、最終的に決定された順位が実力の優劣をどれくらい正確に決定できているかを評価した。各参加者がどの順位を何回とったかを記録するほか、転倒数を計算し低いほど精度の高い順位決定方法であるとした。考案した方法の中から、精度の高い順位決定方法を見つけることができた。
#45ARITAKE R&D Laboratory 「SDGsへの関心向上をはかるブラウザゲームの開発 ~ブラウザゲームで学ぶSDGs~」
有竹 祐樹(東京都立多摩科学技術高等学校 2年)
[問題解決とコンピュータの活用]
人々のSDGsに対する関心向上を促進することはSDGsの目標達成に大きく貢献する。そのため、様々な場面でSDGsの講演会、体験型ゲームを通して認知活動や宣伝を行っているが、新型コロナウイルスの影響により、感染リスクの観点からそれらの中止が相次いでいる。そこで、本研究では非接触型でかつ敷居の低い新たな学習方法として、手軽かつ導入コストが低くSDGsについて学べるブラウザゲームを開発し、前述した問題点を解決していく。
#46多摩科技 ドローン研 「自律飛行型ドローンによる無線LANを用いた遭難者救助の研究」
松原 健太郎(東京都立多摩科学技術高等学校 2年),横山 瑞季(東京都立多摩科学技術高等学校 2年),山田 爽太(東京都立多摩科学技術高等学校 2年)
[問題解決とコンピュータの活用]
近年、登山ブームによる登山者数の増加により、山岳における遭難者の人数は年々増加している。一方、山岳での遭難は携帯電話の電波が受信できず、外部との電波が遮断されてしまう。また、従来のドローン搭載カメラでの捜索は、樹木などで視界が遮られ発見できない可能性がある。そこで、本研究ではドローンを用いて、遭難者の携帯電話から発信されるWi-Fi電波を受信し、それをもとに広域に捜索するシステムを構築する。視界が確保できない条件においてカメラを用いた方式では、要救助者を発見することはできないが、本研究では無線LANを用いることにより、指向性のない電波の受信状況から要救助者の遭難位置を大まかに特定する。
#47多摩科技116 「自動出欠確認システムの開発~先生に余裕を!~」
千葉 伶磨(東京都立多摩科学技術高等学校 2年),園山 凜(東京都立多摩科学技術高等学校 2年)
[望ましい情報社会の構築]
昨今、教職員の仕事の多さが問題となっており、「出欠確認」を負担に感じる教員も少なくない。そして出欠確認をすることにより、朝の準備時間や授業時間が圧迫されてしまう。しかし出欠確認を怠ったことによる児童の死亡事故が発生している。また、出席を生徒自ら登録する方式は、不正に登録したり実際に出席しているかの確認ができなかったりと、確実性に乏しい。「重要」だが「面倒」であり、「確実性」が求められる出欠確認方法が必要である。私たちは、その「出欠確認」を自動化するシステムを開発について発表する。
#48多摩科技AR班 「ARを用いた飲食店情報提示システム」
竹中 瞭太(東京都立多摩科学技術高等学校 2年),小池 和美永(東京都立多摩科学技術高等学校 2年),梶野 航(東京都立多摩科学技術高等学校 2年)
[問題解決とコンピュータの活用]
周辺の飲食店の検索や選択の支援するための、アプリケーションが多数開発されている。しかし、現在のアプリケーションでは、店の検索から選択までに時間がかかってしまう、そのため本研究は飲食店をより直感的に選択することが可能なアプリケーションの開発を行う。料理の画像をAR上で表示し、飲食店が提供する料理の情報と、店舗の位置の情報を同時に示すことができるサービスを開発し、既存のサービスにある課題を解決することを目的とする。
#49町田高校プログラミング研究会 「デジタル標識」
山田 修平(東京都立町田高等学校 2年),谷口 侑生(東京都立町田高等学校 2年),下堂薗 悠希(東京都立町田高等学校 1年),香川 みなと(東京都立町田高等学校 1年)
[問題解決とコンピュータの活用]
デジタル標識をrubyを用いたプログラミングで制作する。デジタル標識とは、それまでの、道路や様々な場所にある標識の表示内容を、プログラミングによってデジタル上で置き換えたものである。標識をデジタル化することによる大きなメリットは、表示内容を変更できることである。表示内容を変更することによって、より人の目に止まるようになり、交通事故の減少に繋がったり、標識としての役割のさらなる改善されたりすることが期待できると考えた。
#50御家軍団 「汎用的なルービックキューブの解探索プログラムの作成」
寺内 駿(東京都立南多摩中等教育学校 4年)
[ディジタル作品の設計・制作]
PythonのTkinterでGUIを作り、ルービックキューブの解探索の関数を高速化のためC++で実装した。探索にはIDA*アルゴリズム(Iterative Deepening A* algorithm)を用いた。単にルービックキューブを解くのみならず、できる限り速く、短い解を出力できるかや、いかに初心者にとって使いやすい「ルービックキューブを解く」機能を作れるかを追求した。またGUIの使いやすさにもこだわった。筆者はルービックキューブを人の手でいかに早く解くかを競う、スピードキュービングの競技者を対象に、任意の状態から任意の状態へとルービックキューブを変化させるための機能を開発している。これまでも同様の機能を提供するアプリケーションは存在していたが、スピードキュービングを行う一競技者として改善の余地があると感じたため、今年の4月下旬からプログラミングの勉強を始め、開発を開始した。
#51チームぱそこん室 「リアルSNS企画 tAmatsubu 〜責任の持てる投稿って?〜」
野口 夏葉(東京都立南多摩中等教育学校 4年)
[情報社会の課題と情報モラル]
新型コロナウイルスの感染が拡大し、オンラインでの授業実施が必要とされるようになったことで、学校現場でも急速にデジタル化が進んだ。本校も例外ではなく、中等後期生だけでなく中等前期生もさまざまなシーンで学校から配布されたタブレットPCを利用するようになった。この状況を迎えたことで、インターネットを介したコミュニケーションが身近になっただろう。この機会にSNSに代表されるインターネット上のコミュニケーションについて見直すための「tAmatsubu」というイベントを企画した。この「tAmatsubu(たまつぶ)」はSNSのリプライ機能のような特定の投稿に対して他者が匿名で返信する手法で投稿をするといったシステムを模したものである。この企画では、事前にリスクを回避してインターネット上でのコミュニケーションの特長を活かすための手助けとなることを目標とした。その報告をする。
#52MTM_PC1 「Pythonによる数独の自動生成プログラムの制作」
須山 凌(東京都立南多摩中等教育学校 5年)
[ディジタル作品の設計・制作]
数独の問題を生成する方法を模索した。数独の生成では、行と列および3×3の各ブロックで数字が被らないように並べる必要がある。そのため、全てのマスに数字を入れる段階とマスを数独の問題をつくる段階に分けた。まず、ランダムソートを併用することで処理の高速化を図った。自動作問に際し、空白を1マスずつ増やしていくことは時間がかかってしまうため、まとめて40マス程度を空白にし、解くことが可能であればさらに空白マスを増やし、そうでなければ空白マスを減らすことで、処理の高速化を図った。その試行錯誤の過程をまとめる。
#53MTM_PC2 「RSA暗号の暗号化の過程の可視化」
天野 匠(東京都立南多摩中等教育学校 5年)
[情報の管理と問題解決]
インターネットを利用する際には通信内容のプライバシーが暗号化によって保護されている。しかし、暗号化の仕組みを理解していない人が多いだろう。暗号化の仕組みは複雑であり,簡単に短時間で理解できないといった意見が同級生の中で散見される。そのイメージを払拭するためにRSA暗号を用いて文章を暗号化するプログラムを作成した。暗号化の仕組みの理解の援助を目的に,ブラックボックス化せず過程を見られるよう改良した。
#54\(^_^)/ 「表計算ソフトならわかる情報の科学」
河原 光(東京都立南多摩中等教育学校 4年)
[情報の活用と表現]
今年度は情報の科学を学んでいる。情報の科学の内容は幅広く理解に時間がかかる理論も多い。例えば数学的な内容や、情報通信ネットワークなどビジュアルで分かりにくいものは特にイメージがしにくい。表計算ソフトウェアは、単純な関数と表のセルの指定で理解しやすく感じている。そこで、情報の科学の学習事項の理解を深めるために、一部の内容を表計算ソフトウェアで表現した。その一部を授業の中で紹介いただき、生徒も口々に、理解しやすい旨の発言をしていた。本発表ではその一部を紹介する。
#55小島柊 「C言語による簡易的なデータベース管理プログラムの作成」
小島 柊(東京都立南多摩中等教育学校 4年)
[情報の管理と問題解決]
学校の「情報」の授業で学習したデータベースについて理解を深めるため、C言語のリスト処理を用いて、データペースの作成や、「射影」「選択」といった関係演算を行うプログラムをゼロから作成し、簡単な活用事例について報告する。
#56立高情報ゼミ逆アセンブル班 「逆アセンブルを用いたマルウェアの解析」
安藤 桂汰(東京都立立川高等学校 2年),戸田 晃太(東京都立立川高等学校 2年)
[問題解決とコンピュータの活用]
近年のコンピューターの普及に伴ってマルウェアによる被害が増えてきているということを聞いて、そのマルウェアがどのように動いているのか、またどのようにしたらその被害を防ぐことができるのかに興味を持った。そこでマルウェアの構造をリバースエンジニアリングツールを用いて静的解析(コードを実行せずにソフトウェアを解析すること)を行った。自作したバックドアが含まれたコードをコンパイルし、GhidraやIDAといったツールで逆アセンブルした。その結果、逆アセンブルしたコードは非常に長く難解なものになることがわかった。そのうえ、実際に悪用されているマルウェアの製作者は解析者の解析手法を理解したうえで難読化を施しているため、解析はさらに困難になる。今後はWindowsAPIやアセンブリ言語、難読化などについての理解をより深め、実際に使用されているマルウェアの解析をしてみたい。
#57yanayuji 「鍵管理システムの作成」
栁澤 大志(東京都立立川高等学校 2年),濵中 湧一郎(東京都立立川高等学校 2年)
[ディジタル作品の設計・制作]
学校の職員室の鍵の管理体系の現在状況によって教室を使用したいときに使えないという問題を鍵の管理システムを作成することで解決を試みた。システムの大まかな方向性を決定して試作をしたが、処理が大きくなってしまい端末のスペック不足で実用化できる程度のものはできなかった。また、当初予定していたWebアプリケーションを利用したシステムでは、技術的な問題で機能を実装することができなかった。そのため、使用する言語やシステムを見直し、アプリケーションの再構築を図ることになった。
#58立川高校SSH情報班 「自動でワックスがけをするロボットの作成」
佐藤 遥希(東京都立立川高等学校 2年),木本 大輝(東京都立立川高等学校 2年),萩原 一堯(東京都立立川高等学校 2年)
[ディジタル作品の設計・制作]
体育館のワックスがけは労力がかかり、普段からできるものではないので自動でワックスがけができるロボットを作ろうと思った。作成の手順は既製品のラジコンを分解し、そこに部品を補い作成した。
#59立川のぼっち 「TikTok風に知識欲を満たすアプリ」
坂﨑 柊斗(東京都立立川高等学校 2年)
[ディジタル作品の設計・制作]
TikTokのメインとなる、「スワイプすれば無限に動画が流れてくる」という機能を参考とした、永遠と雑学が流れてくるアプリを開発します。
・使用言語はpython・ウェブスクレイピングを利用した、ネット上の雑学を表示する機能の搭載。
・アプリの簡潔なGUI化
【以下、発表者からの一言】
TikTokって、面白いと思いませんか?下へ下へとスワイプするだけで、百人十色の動画が湧きでてくる。最近、YouTubeでも“Shorts”として同じような機能が搭載されましたよね。それほど、この機能は画期的ってわけです。同じようにして、無限に雑学が湧きでてくるとしたら。例えば、暇つぶしにネットサーフィンをしたいけど、調べることもない時。クイズをガチでやりたいから幅広く知識を広げたい時。あるいは、課題研究のテーマが思いつかないとき。
「TikTok風に知識欲を満たすアプリ」シンプルですが奥深い機能を目指して、現在開発中です。プログラムは初心者ですが頑張ってます。
#60LiSA VR Development 「VRを用いた人体における上腕と下肢の触覚と視覚の関連性およびOculusquest2を使用した3次元トラッキングシステムの開発」
内川 拓人(神奈川県立神奈川総合産業高等学校 1年),板橋 葵(神奈川県立神奈川総合産業高等学校 1年),佐々木 淳哉(神奈川県立神奈川総合産業高等学校 1年)
[問題解決とコンピュータの活用]
VRを用いた上腕と下肢における視覚・触覚の関連性およびOculusquest2のルームトラッキング機能を用いた9軸モーションセンサーによる3次元トラッキングシステムの開発について提言する。VRChatに代表されるVRSNSにおいては、「VR感覚」と呼ばれる、視覚のみで触覚・嗅覚など他の感覚を疑似的に感じる現象が度々話題となっている。私たちはこの現象について興味を抱き、研究活動を開始した。本研究では、視覚と触覚の関連性に着目して実験を行った。また、実験で利用する3次元トラッカーについて、市販の安価なシステムでは広範囲を対象としたトラッキングが難しいこと、さらにトラッカー本体が大型であることなど、本研究の実験条件に合致したシステムが存在しないため、Oculusquest2を使用した3次元トラッキングシステムについても併せて開発した。
#61長岡高専プレラボ 「語学学習アプリの背景色や文字色による記憶しやすさの違いの検証」
金澤 智(長岡工業高等専門学校 1年),大野 俊介(長岡工業高等専門学校 1年),ワッチャラルートワー二ット スティニー(長岡工業高等専門学校 2年)
[ディジタル作品の設計・制作]
私たち学生は、普段から暗記帳や教科書を用いて、暗記をしていますが、文字の色などにより、覚えやすさに差がでる、という話を聞いたことはありませんか?そこで私たちは、英単語暗記のアプリを開発し、色や背景色の違いによる、覚えやすさの違いを検証してみることにしました。この語学学習アプリは、高専に1年生から入ってくる留学生も専門用語を覚える際に活用できるため、日本人学生・留学生の双方にとって有益です。また、このアプリは、留学生と一緒に制作に取り組んでおり、さらに本校が包括的連携協定を結んでいるフラー株式会社のエンジニアの方にもご協力いただき、アプリ開発を進めています。
#62中村 「Raspberry Piを用いた服薬管理システム」
中村 涼香(石川県立金沢泉丘高等学校 2年)
[プログラムによる計測・制御]
服薬時間を守ることは薬の効果を高める点等において重要である。しかし、薬により服薬時間が様々なため、毎日忘れずに服薬し続けることは難しい。そこでRaspberry Piを用いて服薬を管理出来るシステムを開発しようと考えた。主に、服薬カレンダーとRaspberry Piのカメラを使用した。カメラで継続的にカレンダーの変化を観測し、変化がない場合にはスピーカーを用いて使用者に知らせることにした。
結果としては、服薬を忘れる頻度は減少したものの、実験回数が足りず、システムによる効果とまでは断定できない。また、祖母からは「何度も服薬してしまう」という相談を受けているが、現段階では服薬の重複を防ぐことができるかは不明である。他に、使用者に音が届かない場合にはシステムとして機能しないことが課題として判明した。よって、今後は視覚的に知らせたり、メールで知らせたりするシステムも加えていこうと思う。
#63Qwittre 「ニューラルネットワークによるTwitterエンゲージメントの予測」
岩本 周也(石川県立金沢泉丘高等学校 2年),篠地 佑宜(石川県立金沢泉丘高等学校 2年),清水 慶人(石川県立金沢泉丘高等学校 2年),白井 元己(石川県立金沢泉丘高等学校 2年)
[プログラムによる計測・制御]
私たちの研究の目標は、twitter内でのいわゆるバズると呼ばれる現象を数理的に再現することです。この目標を達成するために、いいねやリツイートの数の和をエンゲージメントと定義してそれを予測するモデルの作成を目指しました。具体的な方法は以下です。まず、ツイートをDoc2Vecというものを用いて数値化します。その後、ニューラルネットワークという数理モデルを利用して数値化したツイートデータとフォロー数、フォロワー数、曜日、時刻を入力することでいいね、リツイート数を予測するプログラムを作成しました。その結果、いいね、リツイート数の少ないツイートデータに対しては予測することができたと考えられましたが、いいねリツイート数が多いツイートデータに対してはまだ予測できなかったため、今後予測できるよう、改善していきたいと考えています。
#64TEAM. M 「学校の質問環境を改善するコミュニケーションアプリの開発」
森本 新太郎(福井県立高志高等学校 1年)
[情報の管理と問題解決]
コロナ禍のオンライン授業では、生徒が先生に質問したり、生徒同士で学びを共有したりする機会がなく、学習意欲が下がった経験をした。そこで、今の学校にない、生徒と先生が学習に関する質問をやり取りできるプラットホームとして、独自のコミュニケーションアプリを開発し、生徒が気軽に質問できる環境をつくろうと考えた。数学で分からない問題に関する質問から、明日の特別講座の持ち物まで、わからないことを気軽に聞けて共有できるオンラインの良さを最大限活用したアプリだ。生徒同士で教えあうだけでなく、信頼できる先生の回答を得て疑問の解決につなげることができる。閲覧データに基づいたおすすめ表示や第三者の閲覧を制限するセキュリティ面、どの画面にも2タップ以内で遷移できるUIなど、使いやすさと安全面にも考慮して開発した。そして実際に先生、生徒に利用してもらい意見を聞き、改善した。さらに学校全体での運用を目指していく。
#65刈谷高校 SS部 情報班 「視線検出による非接触のパソコン制御システム」
平野 正太郎(愛知県立刈谷高等学校 1年),三島 康栄(愛知県立刈谷高等学校 1年),大橋 琉介(愛知県立刈谷高等学校 1年)
[問題解決とコンピュータの活用]
様々な理由でキーボードやマウスを操作できない人でも視線検出を利用したシステムを導入することでPC操作ができるようになる。しかし、一般的な視線検出システムには特殊なカメラが必要であり、導入が容易ではない。そこで、PC搭載のWebカメラを用いた視線検出によるマウスカーソルの操作システムのプログラムを制作した。しかし、開発したプログラムの視線検出の精度が不完全であったため、今回は精度の向上を図ることを研究目的とした。精度不足の原因は、学習データとなる被験者の数が足りないためであると推定される。そこで、より多くのデータを学習させることで認識の偏りを防ぎ、実用的な段階まで精度を高めることができると考えた。学習データを増やす手法として、データを左右反転させたものやノイズを追加したものを別データとして利用する「データ拡張」を用いた。
#66Scratch目付字クラブ 「人と人をつなぐScratch目付字」
渡邉 寧音(田原市立福江中学校 1年),増永 杏李那(江東区立第二南砂中学校 2年),増永 梨李那(江東区立第二南砂中学校 1年),宮崎 美桜(九州国際大学付属中学校 2年)
[情報通信ネットワークとコミュニケーション]
コロナ禍で,マスク着用や食事中の会話制限などで,学校現場でも学生のコミュニケーション不足による言語能力の低下が言われ始めました.人々が安心して会話を楽しむ方法はないかと考えたときに,江戸時代に流行った目付字遊びを知りました.目付字遊びとは,二進数理論を使った数理マジックで,江戸の人々はこの遊びを通じて識字率を高めたともいわれています.そこで東京,愛知,福岡に住む女子中学生4人が,オンラインでつながり,指導者のもと,目付字の仕組みを学習して,それぞれオリジナルの目付字をScratchで作成しました.私たちはそれぞれ対象者を,「幼児向け」「子供向け」「大人向け」などに絞り,その年齢層に楽しんでもらえるように工夫をこらしました.また,オンラインやリアルの場でそのScratch目付字を披露する活動をしています.今回のポスター発表では,4人の作品紹介とその実践報告をしたいと思います.
#67すぱこんよりずっとはやい 「課題チェッカー通知」
佐々木 翼(京都産業大学附属高等学校 1年),辰己 恵亮(京都産業大学附属高等学校 1年),坂井 利休(京都産業大学附属高等学校 1年),田中 陸(京都産業大学附属高等学校 1年)
[情報の管理と問題解決]
本校では4年前からG suite(現Google Workspace)、昨年度からChromebookを1人1台持つようになった。LMSとしてGoogle Classroomが使われており、小テストや提出物などをChromebookから提出することが可能になった。しかし、各科目ごとにクラスが設定されているため提出物の管理が大変で、プリントのほうが管理しやすいという意見もある。提出忘れが無いようにGoogle classroomでは提出締め切り近くになるとリマインダーのメールが送信されるが、高校生はあまりメールを確認しないため効果は薄い。そこで我々はGoogle Classroomの未提出課題をLINEに通知するシステムを考えた。
#68居眠りGメン達 「寝ている人を検知して生徒の居眠り減少!」
松浦 圭竜(京都産業大学附属高等学校 1年),杉本 健悟(京都産業大学附属高等学校 1年),中谷 風空斗(京都産業大学附属高等学校 1年)
[問題解決とコンピュータの活用]
最近の世の中は、スマホやパソコンなどを使う機会が増えてきています。その中でも、「夜遅くまでスマホやパソコンなどを触っている人」が多くなってきている傾向があります。朝起きてから体のだるさを感じているのは、もしかしたら眠れていないからかも知れません。そのまま学校に来てしまった生徒は、授業中に寝てしまうことが多い傾向にあります。授業中に寝てしまうと、授業の内容が詳しく分からず、成績に関わってしまいます。学校の先生方も、寝ている生徒をわざわざ指摘して起こすのは面倒だと思います。そこで、あるシステムを考えました。それは、寝ている人を検知し、担当の教師に通知が行くようにするUnityのOpen CV plusを活用したシステムです。このシステムがあれば、生徒の居眠り減少に繋がり、授業内容の理解が深まる人が増えるでしょう。
#69トクメイ‘s-名前はまだないー 「匿名掲示板と学校」
山中 陸資(京都産業大学附属高等学校 1年)
[情報の管理と問題解決]
本校では授業や学校生活の一環としてGoogle Classroomを使っている。最近では、緊急事態宣言が出ている中授業はオンライン授業に移り変わり、家の中からの授業だったので先生などに質問をしにくい環境だったので、わからないことがわからないままになってしまって、解決がしにくい状況が長く続いていたことが問題があると思いました。なので、学校の質問や交流の場として匿名掲示板を使い、親密な交流よりも浅く必要な情報をすぐに手に入れられる環境があることによって、より全体的な学力を向上させることができる。匿名掲示板ならコミュニケーションの不安感が薄れ、発言がしやすくなるという研究報告がある。なので匿名掲示板を設立しようと考えた。具体的な内容は、勉学や悩み相談、交流などを主に様々なことを匿名で聴くことを目的とした掲示板の設立。勉学はわからないことがあるときに、恥ずかしくて聞きにくいという人が掲示板を使うことによって、勉強がわからなくて困る人が大幅に減ると考えたので、掲示板策をとってみようと考えた。
#70京都市立京都工学院高等学校 サイエンスクラブ技術班 「SCPIコマンドを用いたポテンショ・ガルバノスタットの制御 〜VBAによるGUIの作成及びSCPIコマンドの自動生成〜」
小松 右京(京都市立京都工学院高等学校 1年),山中 海喜(京都市立京都工学院高等学校 2年)
[プログラムによる計測・制御]
本校サイエンスクラブが所有している電気測定用装置である「ポテンショ・ガルバノスタット」は,太陽電池や燃料電池の研究において必須の装置である。しかし,この装置を制御しているPCは約20年以上前の物であり,動作不良に陥る恐れがあった。そこで,プログラムを構成することで,あらゆるPCでも扱えるような制御用アドインを制作したいと考えた。今回制作したアドインにはExcel VBAを用いてプログラムを構成することで,SCPIコマンドと散布図の自動生成,電圧・電流出力の設定,Excelシートのクリア機能という3つの機能を持たせることに成功した。この機能により,太陽電池や燃料電池の性能評価を行うための光起電力特性を測定が可能である。制作したアドインにより,PCの新旧を問わずに電池測定ができるようになった本研究成果を発表する。
#71TENNOJI 「タッチタイピングによる個人認証システム」
森元 千貴(大阪府立天王寺高等学校 2年),西田 華菜(大阪府立天王寺高等学校 2年),手嶋 光(大阪府立天王寺高等学校 2年),八木 皓星(大阪府立天王寺高等学校 2年)
[プログラムによる計測・制御]
【仮説】スマホのロック解除時に、パスワードだけでなくタッチタイピングによって個人認証が成り立つ【きっかけ/動機】スマホのロック解除時に使っているパスワードは誰かに見られると簡単に破られてしまう。そこで、タッチタイピングをロック解除に組み込むことで、視覚ではなく習慣という他人が盗みにくいもので、新しい個人認証が成り立つのではないかと考えた。【実施内容】無意識に個人差が出るのかを調べるために、アプリを作った。アプリ作成のために、Monaca education というツールを用いてプログラミングでアプリを開発した。画面上にあるテンキーを押すと、その押した場所のx,y座標と画面の接触時間が測ることができるアプリを開発し7人に実験を行った。実験では「1973」を計14回押してもらった。現在、その実験結果をまとめ各人の再現性を調べている。その後個人差を調べて、他人受入率や本人拒否率を設定することで、それを満たす許容値を調べていきたい。
#72チーム 柳澤 「機械学習を用いた電子カルテの解析による医療インシデントの予測」
柳沢 篤(高槻高等学校 2年)
[情報の管理と問題解決]
病院内での入院患者の転倒は場合によっては患者の骨折という重要な疾患を引き起こしてしまいます。大阪医科薬科大学は独自の基準に基づいて、患者一人一人の転倒するリスクを定め、それに基づいて転倒の対応策をとっています。ただ、そんな中転倒のリスクが低いと判断されたにもかかわらず転倒してしまう患者が多くいることが分かってきました。私は、実際の電子カルテのデータを用いて、機械学習を中心として、統計学や医学の観点とも合わせながら、その原因を、ひいては入院患者の転倒の理由を研究してみました。
#73TTS 「手軽に製作可能な、調整可能で品質の高いテキスト音声合成システムの開発」
芦田 裕飛(大阪電気通信大学高等学校 3年)
[ディジタル作品の設計・制作]
近年、テキスト音声合成分野の研究は、深層学習の影響によって急速に進んでおり、Googleが発表したTacotron2などの技術が代表例として挙げられる。また、昨今では個人が音声合成ソフトウェアを開発し、公開することが可能となっており、その技術の活用は目覚ましいものとなっている。あるソフトウェアにおいては、単純にテキストから音声合成を行うだけでなく、生成される合成音声のアクセントの調節や、ピッチ、音素継続長の調整など、かなり細かな声の調整が可能となっているが、この細かな調整が可能な音声合成技術はかなり特殊で、構造が複雑である。これらの複雑な構造を回避しながら、調整可能かつ品質の高い音声合成技術の開発を行える技術の確立と普及をしたいというモチベーションから、本研究開発を行うに至った。
#74千里放送録音班 「校内放送自動録音システムの開発」
末永 温和(大阪府立千里高等学校 2年),奥村 友陽(大阪府立千里高等学校 2年),池上 聡範(大阪府立千里高等学校 2年)
[ディジタル作品の設計・制作]
本校では生徒,教職員の呼び出しなどの連絡に校内放送が用いられている.しかし,周囲の雑音によって聞き取りにくいことがあり,大きな問題となっている.そのため,校内放送を自動録音し,さらに音声認識によって文字情報化したものを共有することで,重要な連絡の聞き逃しを防止できるのではないかと考えた.このシステムはマイクに接続したラズベリーパイをスピーカーに設置して校内放送を録音するもので,既存設備の変更を伴わない.そして,その音声および音声認識によって生成された文字情報を共有することができる.2箇所に設置された2台のラズベリーパイを用いて録音されたそれぞれの音声データを比較することで,雑音の録音を除去することができた.また,一方の故障時にはもう一方のみの動作に切り替わることで,安定性の向上を図った.試験運用は成功しているので,今後は本校関係者にも使ってもらい,使用感の改善にも努めたい.
#75Otemon Heartful 「心の闇をなくすAI会話アプリの研究「心も(はーとも)」」
神田 奈央(追手門学院大手前高等学校 2年)
[問題解決とコンピュータの活用]
一人暮らしをしている人やコミュニケーションが苦手な人など、誰かと話したいが話せないという人は多いのではないだろうか。しかし、誰かと会話ができない状況が続くとストレスが溜まり、いずれ心の健康を害する原因となる。そこで、誰もが持っているスマートフォン一つで簡単に会話でき、カウンセリングも受けられるアプリがあれば、会話ができない状況にある人の心の支えになることができると考えた。機械が相手なら日々の悩みなども打ち明けやすい上に、コミュニケーションをとることが苦手でも会話しやすいのではないだろうか。このアプリがあれば、人の心の闇によって引き起こされる様々な問題、例えば紛争や差別などを解決できるのではないかと考えている。これまで培ってきたプログラム技術で人々のストレスを緩和し、元気づけられるAIとの会話アプリの開発・提供を目指す。
#76Otemon Challenger 「CO₂削減に向けた「未来型自動車」による渋滞のない交差点システムの研究と開発」
南方 博(追手門学院大手前高等学校 2年)
[問題解決とコンピュータの活用]
地球温暖化を防ぐために、私たちはCO₂を削減する必要があります。私が住む大阪は大都市なので、いつも車は渋滞しています。そして、渋滞はエネルギーの無駄だけでなく、大量のCO₂を排出します。従来の自動運転システムでは、個別に制御することから、信号を認識し止まり、交差点での渋滞は解消されません。そこで、私たちは渋滞をなくす「未来型自動車制御」による交差点システムを開発しました。信号をなくし、交差点に全方向から入る車を、衝突しないように制御するプロトタイプを製作し、実装に成功しました。これによって、全ての車は、スムーズに通過し、交差点での渋滞をなくすことが可能になりました。世界中の渋滞ををなくし、CO₂の削減をめざすことを提案します。
#77Otemon Earth Challenger 「バーコード読み取りを利用した「ゴミ分別促進アプリ」の開発」
西住 悠(追手門学院大手前高等学校 2年)
[問題解決とコンピュータの活用]
近年、私たちの身の回りにある物は多様化し、分別の方法が周知されておらず、間違った廃棄による環境問題が発生している。そこで、その問題を解決するために、「ゴミ分別促進アプリ」を開発した。ゴミの分別を正しく行うことで無駄なごみの焼却を抑え温室効果ガスである二酸化炭素や有害物質であるダイオキシンの発生を抑制しリサイクル可能なものを増やすことで循環型社会の促進を目的としている。アプリの機能は商品についているバーコードを読み取ることにより、その商品の分別方法や地域ごとのゴミ収集日が表示されるシステムの開発に取り組んだ。私の開発したアプリによって、地球環境の改善につながれることを期待する。
#78西宮市立西宮高等学校 地球科学部 「感情表現可能な AI 音声合成システムの開発」
和田 遥大(西宮市立西宮高等学校 2年),西出 皓貴(西宮市立西宮高等学校 2年),松本 侑大(西宮市立西宮高等学校 2年),山崎 航生(西宮市立西宮高等学校 2年)
[問題解決とコンピュータの活用]
声を失った人がコンピューターを通すことで話せるようにするという目的で一昨年度から続けています。今年はAIを使った音声合成プログラムの開発を試みました。今回はGoogleの音声合成システムである、tacotron2を参考にしました。しかしながら、tacotron2では日本語の音声合成において前処理なしでは使えません。そこで、日本語に特化したプログラムを書くことを目標として前処理ごと組み込み、tacotron2の構造を簡略化し、Pythonを使い独自でプログラムを作成しました。
#79兵庫県立小野高等学校 「高齢者ドライバー運転支援アプリの開発」
小林 麟太郎(兵庫県立小野高等学校 2年)
[ディジタル作品の設計・制作]
本研究開発ではご高齢の運転者による事故が近年社会的課題となっている中でスマートフォンのGPS機能等を用いた運転支援アプリケーションを開発することにより、解決に導く一つの方策を確立することを目標としました。本アプリでは危険速度・急激な速度変化を感知し警告する機能、AVS(先進安全自動車)に実際に整備されている注意喚起・警告の一部をアプリ内で実現する機能、Slackと連携しご家族の方々にリアルタイムで運転状況を通知する機能を主軸に実装しご本人とご家族の方々が協同で運転状況を改善していただける環境をつくりました。開発段階では実証実験を重ね、より実際の運転環境に基づいた機能類の提供に成功し今後これを社会に普及させていくための筋道についても考案を行いました。
#80星陵高校_科学同好会 「Google Workspaceを用いた文化祭キャッシュレス集計システムの構築」
中尾 修志(兵庫県立星陵高等学校 2年)
[情報の管理と問題解決]
自校の文化祭では金券の使用を前提とした模擬店での売買が行われていた。これには生徒会が大幅な時間と手間をかけて売上の集計、釣り銭の払い戻し、を行っていた。そのようななか、昨年のコロナ禍以来、自校にもGoogle Workspaceが導入された。これを利用するうちに文化祭キャッシュレス集計システムを思いつき、設計・開発に至った。設計にあたって、集計処理の効率化、エラー対策、条件の変更に対応可能であることを基本とした。特にエラー対策は信頼性の点から重要と考え、より多くの考察とコードの修正を行った。主な機能はQRコードの作成、売り上げの記録、請求書の作成である。自校のアートフェスタで小規模ながらも実証実験を行い、処理に及ぼす影響を把握し、それに応じた改善、エラー回避処理の追加を行った。また、将来的に本システムをオープンソースにし、県下各地の高校の文化祭で利用され、より発展させたいと願っている。
#81星陵高校_科学同好会 「条件最適化席替えアプリ “めぇめぇ2号” の設計・開発」
浦尻 雄斗(兵庫県立星陵高等学校 2年),織田 竜輝(兵庫県立星陵高等学校 1年)
[ディジタル作品の設計・制作]
昨年度私たちの先輩方、宇井・𥸮原が席替えAI「めぇめぇ」を開発した。席替えAI「めぇめぇ」は、Excelシート上で動作するアプリで、誰も前回と同じ生徒と隣り合わず、前回と同じ座席に着かないように席替えを実行することができる。しかしながら、このアプリにはサイズ上限があった。そこで私たちは、サイズ上限を克服した席替えアプリの開発を目的として、席替えAI「めぇめぇ」を再設計し、Pythonを用いて開発することにした。私たちの開発した席替えアプリ、“めぇめぇ2号”は、サイズ上限を克服した席替えアプリで、「めぇめぇ」の多くの機能を継承・拡張している。例えば、「めぇめぇ」の席替え条件を、前回の座席表だけでなく、過去の座席表すべてに適用して、ランダム座席表を作成することができる。しかしながら、座席数が極端に多いとき処理に時間がかかるという課題が残った。解決方法として、計算速度の向上と、最適化条件の緩和が挙げられる。
#82Online Lab 「公民館でオンライン診療を選択肢の一つに」
荻 愛実(兵庫県立姫路西高等学校 2年),明珍 初音(兵庫県立姫路西高等学校 2年),沖中 優奈(兵庫県立姫路西高等学校 2年)
[望ましい情報社会の構築]
高齢者や高血圧患者の多い地域ではオンライン診療を普及させようとしているが、そのような患者はオンライン診療を利用していないことが分かった。このことから、なぜ、オンライン診療は普及しないのかを現役の医師の方にインタビューしたり、どんな人が公民館でオンライン診療を受けたいのかをアンケート調査したりした。アンケートからは、公民館でのオンライン診療と年代、病院と比べた公民館までの距離に有意差があることがわかった。また、どの公民館でオンライン診療をすれば有効であるのかを絞り込むために、Pythonを使って、姫路市の公民館と内科診療所、高齢者数を地図に可視化した。その結果、68箇所の姫路市立公民館から、11箇所に絞りこむことができた。私たちはそのうちの一つで実証実験を行う予定である。
#83お菓子配りおじさん 「教師なし機械学習で日本一安全な市町村を突き止める」
藤原 正道(兵庫県立姫路西高等学校 2年),播本 涼太朗(兵庫県立姫路西高等学校 2年),横井 友(兵庫県立姫路西高等学校 2年)
[情報の活用と表現]
筆者らは、日本で自然災害が多発している現状を受けて、日本にはそのように自然災害の被害を受ける可能性が限りなく低い地域、場所がないのかと問いを立てた。本研究では、そのような場所を将来的に有効利用することを目的とし、その達成のために市町村別に災害発生頻度を数値化、可視化した。データ解析の結果、日本一安全な市町村の導出や、災害発生頻度による市町村の分類に成功した。この成果は、上記の目的達成のために重要である。
#84サイエンス研究会 物理班 「深層学習を用いた脳波による視覚情報の予測に向けた基礎研究」
濵野 泰地(奈良女子大学附属中等教育学校 5年)
[情報の活用と表現]
脳の活動は脳波という形で計測できるが、脳波データは非常に複雑なデータであるため脳波から脳の活動を予測するのは難しい。しかし、データ間のわずかな違いや共通点からデータを分別することが可能な深層学習を用いれば、それも可能なはずだ。本研究では脳の活動のうち視覚に関する活動に焦点を絞り、脳波から視覚情報を予測することを目標とし、研究を進めている。
#85紀北工業コンピュータ部 「じゃんけんの提示パターンの分析とそのアルゴリズムの研究」
中田 圭亮(和歌山県立紀北工業高等学校 2年),平井 隼人(和歌山県立紀北工業高等学校 2年),脇 鼓太郎(和歌山県立紀北工業高等学校 2年),梅本 将太郎(和歌山県立紀北工業高等学校 2年)
[情報の活用と表現]
人間は連続してジャンケンをするとその手に一定のクセやパターンが出ると思われます。人間とPCと連続してジャンケンを行い、そのパターンをプログラミングによって分析し、人間の思考パターンを分析するプログラムを作成し分析してみました。思考パターンを何パターンか仮定し、多くの人に対戦してもらいそれぞれの人に合わせて分析をして誰が(何人が)どのパターンにはまりやすいかを分析します。その分析のプログラミングの中でいろいろなロジックを実験し、アルゴリズムと合わせてプログラミングの研究を行ってみました。うまくはまると後半になればなるほどPCが強くなり、アルゴリズムの成果として分析しました。
#86高松商業高校科学部1年 「在室・在席表示システム「I:room」(いるーむ)の開発」
石丸 暖人(香川県立高松商業高等学校 1年),岡西 晃生(香川県立高松商業高等学校 1年),魚部 亮(香川県立高松商業高等学校 1年)
[問題解決とコンピュータの活用]
センサーを使い遠距離からでもトイレや試着室などの空き状況を確認できることを目標として開発に挑戦した。RaspberryPi やmicrobitをインターネットに接続し、センサー値をWeb標準技術を活用してデータベースに記録させた。また、在室を手軽にモニタリングできるよう、専用の表示機を作成したほか、webアプリケーションを作成してajaxで非同期通信を行い、最新の状況を把握することができるようになっている。センサー機と表示機の、ペアリング、ペアリング解除は、2つの機器を同時に振ることで行える。データベースに入退室の記録から、掃除のタイミングや実施時間、その必要性などを検証する材料にもなり、様々な活用法が期待できる。python・PHP・SQL・HTML・CSS・JavaScriptなど、これまで情報科で学習してきた知識と技術を組み合わせて問題解決に取り組んだ。
#87高松商業高校科学部2年 「駐車場の空き状況を可視化するシステムの開発」
佐伯 晃希(香川県立高松商業高等学校 2年),湯淺 創太(香川県立高松商業高等学校 2年),岡田 楓(香川県立高松商業高等学校 2年)
[問題解決とコンピュータの活用]
私たちの高校は,部活動が盛んで外部指導者や他校からの来校が多い.そのため放課後や土日祝祭日は,来客用の駐車スペースは常に満車である.そこで,私たちは駐車スペースの空き具合を表示できるシステムの開発を行う.駐車スペースに白線がなく不規則に駐車されるため,センサ類を使った計測が難しい.そこでカメラで定点を撮影する仕組みを作り,駐車状況をAIで解析してデータベースに記録させることとした.エッジコンピューティングを実現するためPythonを使ってデバイス側で駐車台数をカウントする仕組みを実現させる.一方サーバ側では,PHPとSQLでプログラミングし,データベースへの書き込みと,Webアプリケーションを実現させる.最新の駐車情報を遠隔地からリアルタイムに表示できるようになるため,駐車場の空車状況や,路上駐車の防止,渋滞予測のような社会問題への解決にも応用できると考える.
#88一瀬輝日 「NERUKOWA~学生の睡眠状況を可視化するためのアプリ~」
一瀬 輝日(福岡大学附属大濠高等学校 2年)
[問題解決とコンピュータの活用]
4年前から始めた睡眠研究では大学生209名、高校生152名他を対象に質問紙法を実施してきたが、経時的変化が探れない横断的調査の限界を痛感し、長期的ログの収集・分析を可能にするアプリを開発しようと考えた。質問紙調査で盛り込んだ項目は「睡眠尺度」「エンゲージメント」「バーンアウト」「生活時間」だが、毎朝記入してもらうという特性上、アプリにすべての質問を含めるのは難しいため、データで特に睡眠との相関が高かった項目だけを加えることにした。α版を友達や親戚に試してもらい、得たフィードバックを元に再度修正してβ版を作成した。開発当初は記録・表示の機能を第一に考えていたが、α版使用後の感想では、画面表示の見やすさ、操作性の良さ、通知機能、ランキングやご褒美機能など、UIやUXに関する要望や指摘もかなり多く、ユーザに継続的に使用してもらう上でUI,UXが想像以上に大切であることを実感する結果が得られた。
#89熊本県立宇土高校情報班 「Google Apps Script及びUnityを用いた新しいルービックキューブの開発」
米田 悠真(熊本県立宇土高等学校 2年),廣岡 香太朗(熊本県立宇土高校 2年),緒方 陸斗(熊本県立宇土高校 2年),田中 真悟(熊本県立宇土高校 2年)
[問題解決とコンピュータの活用]
ルービックキューブは約4325京通りの配置が存在している。ルービックキューブはどんな状態から始めても20手以内で揃えることができ、この20という数字をゴッドナンバーという。そのため、知識のない人が闇雲にまわしてルービックキューブを揃えるということはほぼ不可能である。なので私たちはこの情報量を極力少なく、どんな人々でも楽しめるようなキューブを作成しようと考え、この研究に至った。情報量を少なくするためにピボットというコーナーパーツをその場でひねることに目をつけ、ピボットを任意で起こせるポケットキューブについて考えた。ポケットキューブのゴッドナンバーは14であり、ピボットを許したポケットキューブがこの数字よりも小さくなるのかを調べた。すると、ゴッドナンバーは8であり、ポケットキューブよりも少なくなり、情報量が少なくなっているとわかった。そのため、ゴッドナンバーが8となるキューブを作成した。
#90宇土高等学校 「Dynamic Questioning: 強化学習を用いた生徒の学習意欲維持と学習の効率化を両立する出題アルゴリズム」
吉野 泰生(熊本県立宇土高等学校 3年)
[問題解決とコンピュータの活用]
本研究では,e-learningにおける学習効率と学習意欲のトレードオフを考慮した出題手法を提案する。近年,e-learningの普及により,出題を個別最適化する手法が提案されている。生徒の知識状態を推定するKnowledge Tracingに基づく従来手法は,苦手な問題を優先的に出題することで学習効率を高める一方,苦手な問題ばかり解くことによる学習意欲の低下が指摘されている。生徒の学習意欲の向上は学習量の増加だけでなく,e-learningの提供者にとってはユーザのサービス利用時間増加の便益がある。我々は,学習効率と学習意欲のトレードオフの関係と市場経済における需要と供給の関係の間にアナロジーを見出し,多腕バンディット問題に帰着させる。これにより多腕バンディット問題の最適化手法を用いることが可能になり,学習効率と学習意欲の両立を実現する。我々は,模擬実験を行い提案法の有効性を確認する。
#91美来工科高等学校電子工作部 「自立ロボットにおける画像認識を活用したシステム開発」
國吉 琉希(沖縄県立美来工科高等学校 2年),上原 廉(沖縄県立美来工科高等学校 2年),山内 星海(沖縄県立美来工科高等学校 1年),宮里 龍斗(沖縄県立美来工科高等学校 1年)
[プログラムによる計測・制御]
カラーブロックを運ぶ自立ロボットを作成した。ロボット製作には多くのセンサーやモーターを使用している。制御の工夫やカラーブロックを認識して、所定の場所に運ぶ運送ロボットを想定している。その際には、制御についてやカメラで判断することが技術的に難しく苦労した。ロボット製作及びカメラの技術においての工夫やプログラム、ワークを取るための工夫などをメインにポスターとしてまとる。
#92美来工科高等学校電子工作部レゴ班 「ライントレースにおける制御方法の比較」
松堂 宏翔(沖縄県立美来工科高等学校 1年),齋藤 和馬(沖縄県立美来工科高等学校 1年),後間 春兎(沖縄県立美来工科高等学校 1年)
[プログラムによる計測・制御]
ライントレースを行うロボットをレゴ(EV3)で作成した。ロボットの機体は、変更せずに制御方法を変更することで、実際にタイム、安定性、特性がどのように出るかを比較検証した。比較検証には、タイムや安定性などだけでなく、実際にプログラムに係る時間なども考慮した難易度なども取り入れた。ポスターには、プログラムについての特性や比較検証に用いた表なども活用してポスターとして発表する。