情報処理学会第84回全国大会 会期:2022年3月3日~3日 会場:愛媛大学 城北キャンパス

一次産業とICT

日時:3/3 9:30-11:30

会場:第1イベント会場

【セッション概要】一次産業,主要産業の一つとして,地域の経済を支えています.近年,「農業×ICT」や「水産業×ICT」として,農業や水産業におけるICTの利活用の取組が活発に行われています.
愛媛県内では,一次産業の現場と共に,ICT技術を活かした先進的な取り組みが行われており,農業,水産業に変革をもたらしています.これらの取り組みの中心で,研究活動を行っている農学分野や,水産・海洋学分野の研究者に,取り組み内容を紹介いただきます.

司会

遠藤 慶一(愛媛大学 大学院理工学研究科電子情報工学専攻 准教授)

遠藤 慶一

【略歴】2003年京都大学工学部情報学科卒業.2005年京都大学大学院情報学研究科システム科学専攻修士課程修了.2008年同専攻博士後期課程修了.博士(情報学).2007年愛媛大学大学院理工学研究科電子情報工学専攻助教,2012年同専攻講師,2019年同専攻准教授,現在に至る.教育工学,情報システム,情報ネットワークに関する研究に従事.情報処理学会,電子情報通信学会,日本応用数理学会各会員.

9:30-9:35 趣旨説明

小林 真也(愛媛大学 大学院理工学研究科 教授)

小林 真也

【略歴】1985年大阪大学 工学部 通信工学科 卒業,1991年大阪大学 大学院 工学研究科 通信工学専攻 博士後期課程修了(工学博士),1991年金沢大学 工学部 電気・情報工学科 助手,同 講師,助教授を経て,1999年愛媛大学 工学部 情報工学科 助教授,2004年愛媛大学 工学部 情報工学科 教授,現在,愛媛大学 大学院 理工学研究科 電子情報工学専攻 教授 兼 愛媛大学 南予水産研究センター 教授.2017年総務省 情報通信月間 情報通信月間推進協議会会長表彰 情報通信功績賞 他.

9:35-10:30 講演(1)

羽藤 堅治(愛媛大学 大学院農学研究科 教授)

羽藤 堅治

【講演概要】植物工場におけるスピーキング・プラント・アプローチ(SPA),しゃべることのできない植物と対話しながら生育をサポートする考え方,各種センサーを用いて植物の生体情報を計測し,これらデータを人工知能などで解析・診断し,最適環境制御に結びつける研究を行ってきました.最近では,植物工場で培ってきた技術を生かし,スマート農業の実証なども行っている.農業のDXを実装するための様々な技術や考え方について紹介する.

【略歴】1988年愛媛大学農学部卒業,1990年愛媛大学大学院農学研究科修了,1993年愛媛大学大学院連合農学研究科修了(博士(農学)),1994年日本学術振興会PD,1995年愛媛大学農学部 助手,2003年愛媛大学農学部 助教授,現在,2013年愛媛大学大学院農学研究科 教授 兼 愛媛大学学長特別補佐・社会連携推進機構副機構長.計測自動制御学会,日本生物環境工学会,農業情報学会,農業工学会など

10:30-11:25 講演(2) 宇和海の水産業を支援する愛媛大学の取組

武岡 英隆(愛媛大学 南予水産研究センター センター長)

武岡 英隆

【講演概要】水産業は我が国においては斜陽産業と考えられがちであるが,世界的には水産物の消費は増加の一途をたどっており,中でも養殖業は今世紀における世界的な成長産業ととらえられている.愛媛大学は,水産養殖生産高が日本一を誇る愛媛県の宇和海において,長年にわたり養殖業を支援する取組を行ってきており,近年では宇和海全域を網羅する海況情報システムを地域と連携して構築した.本講演では,これらの地域連携の取組と我が国における水産ICT技術開発の動向,さらに養殖業に革命を起こす可能性のある南予水産研究センターが開発中の「次世代育種システム」について紹介する.

【略歴】愛媛大学工学部(1977~1998),同沿岸環境科学研究センター(1999~2015)を経て,2016年より同南予水産研究センター長.専門は沿岸海洋物理学.瀬戸内海や周辺海域の物理過程の研究に従事し,豊後水道では,太平洋からの二つの流入(表層へ流入する急潮と底層へ流入する底入り潮)があること,これらが宇和海における大規模養殖を支えるメカニズムであることなどを解明した.