情報処理学会第84回全国大会 会期:2022年3月3日~3日 会場:愛媛大学 城北キャンパス

「ポスト量子」暗号 --- 量子計算機に対して安全な暗号の現在

日時:3/4 15:20-16:20

会場:第1イベント会場

【セッション概要】将来(大規模)量子計算機が実現すると,現在ネットワークで広く使われている(公開鍵)暗号はすべて解読されることが知られている.そのようなときに備えて,現在のネットワークで(現在使われている暗号の代替として)利用でき,量子計算機に対しても安全と考えられる暗号が活発に研究・開発されている.そのような暗号は「ポスト量子」暗号とよばれる.本講演では,「ポスト量子」暗号の研究動向や米国標準技術研究所(NIST)による標準化について解説する.さらに(ゼロ知識)対話証明や多者秘密計算などの暗号プロトコルにおいて同様の安全性をもつ「ポスト量子」暗号プロトコルについても紹介する.

司会

甲斐 博(愛媛大学 大学院理工学研究科)

甲斐 博

【略歴】1994年 愛媛大学大学院工学研究科博士前期課程修了.
1995年 愛媛大学大学院工学研究科博士後期課程中退後,愛媛大学工学部に勤務.
現在,愛媛大学大学院理工学研究科准教授.
その間カナダWestern Ontario大学博士研究員・客員研究員.
数式処理システムとその応用,数値数式ハイブリッド計算,情報セキュリティに関する研究に従事.
ACM,日本数式処理学会各会員.
博士(工学)

15:20-16:20 講演(1) 「ポスト量子」暗号 --- 量子計算機に対して安全な暗号の現在

岡本 龍明(NTT Research, Inc. Cryptography & Information Security Laboratories 研究所長)

岡本 龍明

【講演概要】将来(大規模)量子計算機が実現すると,現在ネットワークで広く使われている(公開鍵)暗号はすべて解読されることが知られている.そのようなときに備えて,現在のネットワークで(現在使われている暗号の代替として)利用でき,量子計算機に対しても安全と考えられる暗号が活発に研究・開発されている.そのような暗号は「ポスト量子」暗号とよばれる.本講演では,「ポスト量子」暗号の研究動向や米国標準技術研究所(NIST)による標準化について解説する.また(ゼロ知識)対話証明や多者秘密計算などの暗号プロトコルにおいて同様の安全性をもつ「ポスト量子」暗号プロトコルについても簡単に紹介する.

【略歴】1976年 東京大学工学部計数工学科卒業
1978年 同大学院修士課程修了
同年 日本電信電話公社に入社
入社以来,計算機ネットワークアーキテクチャ,自然言語処理,
暗号・情報セキュリティの研究・開発に従事.
1989-90年 カナダ Waterloo大学 客員助教授,
1994-95年 米国 AT&T Bell Laboratories 客員研究員
2019年-現在 NTT Research,Inc. 研究所長
電子情報通信学会業績賞,小林記念特別賞,功績賞,論文賞,
科学技術庁長官賞,紫綬褒章,国際暗号学会(IACR)フェロー,
RSA会議賞,日本応用数理学会業績賞,朝日賞などを受賞
現在,NTTフェロー,工学博士