本論文では、グラントフリー非直交多元接続のための自己組織的電力制御アルゴリズムの性能特性を様々な通信環境にて明らかにする。この自己組織的電力制御アルゴリズムでは、各端末が、周囲の端末のチャネルゲイン（基地局-端末間の通信チャネルにより得られるゲイン）が不明な条件下であっても、自律分散的に、周囲の端末のチャネルゲインに依存した電力制御を実現できる。このアルゴリズムにより、自律分散制御であっても、高スループットで低消費電力な通信を実現することが可能になる。しかしながら、このアルゴリズムの効果は通信環境によって変動する恐れがある。そこで、本論文では、様々な通信環境において、この効果がどの程度得られるのかについて、計算機シミュレーションにより評価する。