他社との間に保つ一定の空間は、「パーソナルスペース」として古くから研究対象とされてきた。近年、COVID-19感染拡大の影響で、チャットツールやビデオ会議システムを使ってオンライン上でコミュニケーションをする機会も増え、空間共有の考え方はバーチャル空間においても徐々に浸透しつつある。しかしながら、従来のパーソナルスペース研究の対象は現実空間であり、バーチャル空間上でどのようにパーソナルスペースが共有されているかはほとんど議論されてこなかった。本研究では、パーソナルスペース測定法としてよく用いられる現実世界状況法と停止距離法を取り上げ、その実測値に基づいてバーチャル空間上のパーソナルスペースの特性を検討する。