人工衛星の観測によって得られる時系列海面水温画像の欠損を修復する方法として、深層学習ベースの手法がこれまで提案されてきた。従来手法では時空間の補間および予測が1つのネットワークで同時に行われている。これを「時間方向の予測による初期値設定」と「空間補間と時間予測の調整」の2つに分けて扱うことで、問題の複雑さを解消できると考えた。そこで本論文では、長期的な温度変化を考慮した時系列予測によるピクセル単位での欠損値推定と、欠損値をこの推定値で置き換えた上で入力とする画像インペインティングネットワークによる欠損修復からなる二段階の欠損修復ネットワークを提案する。