ペトリネットにおいてホーム状態の判定を行う．ホーム状態とは，すべてのマーキングから戻ることが出来る状態であり，ホーム状態の判定により安定した状態を確認できる．通常，ホーム状態の判定には動的解析が用いられるが，大規模なネットではすべてのマーキングを探査するのはコストがかかる．本研究では動的解析の前処理として構造解析を行うことで，ホーム状態の存在性を判定し，ホーム状態判定の効率化を図る．構造解析では，ペトリネットが持つ性質である準保存性，準反復一致性を共に満たす閉路を探査する．この閉路はトークン数が一定であり，無限に遷移可能である．ホーム状態の存在性判定後，動的解析によりホーム状態解析を行う．