情報処理学会 第84回全国大会 会期:2022年3月3日~5日 情報処理学会 第84回全国大会 会期:2022年3月3日~5日

6H-05
分光画像計測を用いた燃焼光源下における古代壁画の見え方の再現
○川口拓哉(かたち),末森 薫(国立民族学博物館),安室喜弘(関西大)
中国甘粛省敦煌市にある莫高窟の多くの洞窟は、無数の仏を並べた千仏壁画で彩られている。多色で描かれた同壁画は、宗教空間をつくる上で重要な役割を担うことが想定されるが、変退色によりその視覚的特徴は制作当時とは大きく異なる。また、壁画を照らす光には蝋燭などの燃焼光源が使用されたことが推定される。そこで、色彩を再現して模写した千仏壁画に対してハイパースペクトルカメラを用いた分光画像計測をおこない、画像が有する分光反射率に、蝋燭の分光特性と人間の目の感度特性を適用するプログラムを構築し、蝋燭下における千仏壁画の見た方を擬似的に可視化した。本発表では、上記プログラムの仕組みおよび課題を提示する。