情報処理学会 第84回全国大会 会期:2022年3月3日~5日 情報処理学会 第84回全国大会 会期:2022年3月3日~5日

5ZJ-03
顔認証システムの倫理的課題について-人工知能とバイアス-
○冨島悠介,渡邊 聖,西川真央,北村智花,山本将一朗,齊藤太一,今 諒平(中大)
 人工知能(以下、AI)を用いた顔認証システムは、データバイアスによる差別の問題が深刻である。これに対し、現在各国政府や国際機関の倫理勧告発表や、IBM等大手IT企業の顔認証システムの廃止といった動きが見られる。現状の顔認証システムの課題としてデータの不足が挙げられるが、その問題の解決だけでは十分ではない。人間社会に広くみられる差別を助長するバイアスを減らしていくことも重要である。正しいデータによって学習したAIを人間が正しく活用していくために、行動経済学の「ナッジ」を積極的に活用して、社会的差別を助長するバイアスの少ない社会建設への貢献を提案したいと考えている。顔認証システムが社会で安全に利活用されるためには、このような試みが重要と考え、その検討の結果を発表する。