本研究では，複雑な反射特性を持つ物体を対象とし，視点ごとに異なる画像を提示する手法を提案する．物体に画像を投影し情報を付加するプロジェクションマッピングは近年広く利用されているが，その対象には単純な反射を発生させる物体が利用されている．しかし．実際には表面に複雑な凹凸が存在し，その影響により複雑な反射を発生させる物体が多数存在している．
本研究では一般的なプロジェクションマッピングでは障害となる性質を利用し，観測方向ごとに異なる画像を提示可能な新しい情報提示技術を提案する．そのために，物体表面上の複雑な構造を効率的に表現する方法を示し，推定された特性に基づき多重画像投影を実現する方法を示す．