Rational Inattention（RI）モデルは、意思決定やゲーム理論の研究分野において、限定合理性をモデル化する有力な候補として近年注目されている。同モデルは、シグナルから得られる相互情報量に比例する認知コスト（情報処理のコスト）が存在すると仮定することにより、市場で観察される様々な現象を一定水準で説明することを可能としている。しかしながら、RIモデルはいまだ十分な認知的基礎付けが行われていない。本研究では、意図的に得られる相互情報量に差を設けた実験を行い、認知コストが視線や脳反応といった生体情報に対応しているかどうか検証した。