統合失調症は精神疾患全体に占める割合が高く，回復後の再発率も高いことが知られている．その症状は外面的に分かりづらく，周辺者の病識が欠如している場合には，患者と周辺者のコミュニケーションに問題が生じることが多い．本研究では，統合失調患者のコミュニケーション能力の回復を目的として，表情表出に基づくミラーリングシステムを提案する．使用者は画面上のエージェントに対して表情で応答することで，表情表出に関するトレーニングを行い，表情変化を定量的に計測して応答性や表現性を評価する．コミュニケーションロボットとの対話を想定した条件では，ミラーリングによる表情表出の協調や引き込みの効果について検証する．