情報処理学会 第84回全国大会 会期:2022年3月3日~5日 情報処理学会 第84回全国大会 会期:2022年3月3日~5日

4ZA-08
植物生育記録の自動化に向けたKeypoint検出の評価
○平原健太郎(静岡大),加納多佳留,海野博也,北川寛人(PLANT DATA),工藤史堯,永井 彰(NTT社会情報研究所),峰野博史(静岡大)
定期的な植物の生育調査は,植物の成長速度,植物のストレス状態を数値化することで現在の植物の状態を知ることができる.植物の状態を数値化した過去データを知ることにより,現在行うべきハウス内の環境を制御し,より品質の高い植物の栽培を可能とする.しかし,植物の生育調査は手作業で行うにはとても手間のかかる業務である.近年の農業従事者の高齢化,新規就農者の減少による労働力不足で,手間のかかる生育調査業務は,業務の中でも栽培・出荷といった重要度の高い業務の圧迫をしている.そこで,本研究では生育調査の「長さ」の項目に着目し,Keypoint検出を利用した自動距離測定を提案する.トマトを栽培するビニールハウス内の栽培ベッド間を自走するロボットにより動画を撮影し,Keypoint検出によって茎や枝の節を見つける.Keypoint検出は画像中から特徴点を見つけるため,特徴点の結びつきを定義することにより,植物の茎や枝の節間距離の自動推定を行う.まずは,一般的に人体へ適応されているKeypoint検出の植物への応用について,植物に対するアノテーションを定義し基礎評価を実施した.その結果,人体ではない植物の画像中から茎や枝の節部分の検出を行えることを確認した.そのため,Keypoint検出による植物での自動距離推定の有効性が示唆される.本稿では,植物の節間距離をKeypoint検出によって自動推定可能であるかという観点で提案手法の有効性を評価する.