顔画像から視線を変更する手法は、ビデオコミュニケーションの違和感改善など様々な応用を見据えて古くから研究が行われてきた。機械学習に基づく近年の手法では視線方向に応じて顔全体を変換するアプローチが取られるが、出力される顔が学習データの影響を受け、顔の同一性が保たれないという問題があった。本研究では、機械学習ベースの視線変更モデルを未知の人物に個人学習なしで適応するための手法を提案する。生成された顔画像の目領域周辺のみ切り出し、スケーリング処理を施した上でポアソン画像合成を行うことで元画像の目領域のみを自然に変更する。提案手法により顔画像の違和感が低減することを実験を通して検証する。