情報処理学会 第84回全国大会 会期:2022年3月3日~5日 情報処理学会 第84回全国大会 会期:2022年3月3日~5日

4J-03
倍々精度演算におけるSIMD命令利用時のデータレイアウトによる性能差分析
○福永晋司,山浦朴人(工学院大),菱沼利彰(科学計算総合研究所),藤井昭宏,田中輝雄(工学院大)
高精度演算はKrylov部分空間法の収束改善に有効だが,計算時間が増加する.倍精度型2つで擬似的に4倍精度演算を行う倍々精度 (DD)演算がある.DD型は構造体で表現される.構造体の配列のデータレイアウトには標準的に利用されるAoSとSIMD命令を用いた高速化に有効とされるSoAがある.しかしDD演算におけるデータレイアウトによる高速化の効果は明らかになっていない.本論文ではDDベクトル演算と倍精度疎行列とDDベクトルの積を対象にAoSとSoAの性能差を分析した.結果,ベクトル演算はメモリ性能に制約を受け性能差は小さかった.倍精度疎行列とDDベクトルの積は,データレイアウトに関わらずDDベクトルへのアクセスは非連続になるため性能差は小さかった.