パニック障害という病気の治療方法として, 仮想空間（VR）において不安を生じさせる環境を再現し, その環境下で暴露療法を実施するVR暴露療法が提案されている. しかし, 既存のVR暴露療法システムには不安への対処方法の練習を段階的に行えないという欠点がある. そこで, 先行研究として, 不安への対処方法の練習を段階的に行えるVR暴露療法システムの開発を行い, パニック障害の専門家に評価をしてもらったところ「最初は不安を感じる場所ではなくリラックス出来る場所から練習したい」という意見を得た. そこで, 本研究では, VR上での不安を生じさせる環境の段階的再現および各段階での滞在支援を行えるVR暴露療法システムを開発する.