切削加工現場には,刃物の命数管理や交換作業は熟練の作業者の技量に依存しているという課題がある.その原因としてCNC加工機において発生する切削負荷量を定量的に測定できていないことが挙げられる.そのため,刃物管理の定量的な指標となる切削抵抗を測定するシステムが求められている.
本研究では,CNC加工機の主軸モータの電流値を測定し,LPWA通信を用いて計測値を収集することで間接的に切削負荷を計測するシステムを実装した.また,切削加工では1製品の製造に複数の刃物が利用されるため,計測した波形を刃物単位に切り出すアルゴリズムを実装した.さらに,実際の切削加工現場において本システムを運用することでその有用性を示した.