近年, Web広告は広告市場の中でも著しく成長している. Web広告の目覚ましい発展の一方で, Web広告における個人情報の取り扱いに対する規制強化が検討されている. 中でも,ユーザの閲覧履歴や検索結果をもとに記録されるCookie情報等により, 特定のユーザ層を標的としたターゲット広告は, 自動的に送信される仕組みの透明性がなく, プライバシーの侵害の懸念がある.
そこで, 本研究ではCookie情報によって行われるターゲット広告の調査を自動で行うことを目的とする. しかし, ターゲット広告はブラウザの情報を元に広告配信や広告のリアルタイム入札が行われてから広告が配信されるため, 通常のクローラーでは観測が困難である. そこで, 本研究では, Node.jsライブラリの一種である, ChromeのヘッドレスブラウザPuppeteerを用いて, 自動でWebサイトを遷移し, そのサイトから必要な情報を観測するシステムを構築した. 開発したシステムとその観測結果を報告する.